6月の染料植物 

クワ(桑) 

      2017年

ご存知、お蚕さんの主食。 

小さく仕立てられたクワしか見たことがなかったので、熱海で初めて自然の桑の木はこれほどの大木になるかと驚きました。

 

ちょうどクワの実がたわわに実る季節です。 ウオーキングしつつ摘んでは食べ、楽しい季節です。

 

 

果実酒にもしますし、クワの葉茶にもなります。 根は漢方薬となります。 捨てるところはありません。

クワの葉で染める黄色は少し青みがかって、明るい美しい黄色です。 

  


 

 6月の染料植物 ● 2016年

 

ヨモギ(蓬生)

 

早春にヤワヤワの新芽を摘んで草餅にするヨモギも、夏を迎え花穂が出る頃になると、ずいぶんと逞しくなります。

 

草の場合は、花穂が出始めた頃が一番色素を貯めた染めの適期と言われますが、ヨモギはそれぞれの時期にそれぞれの色合いが面白い植物です。

 

多分、正解なんてないのでしょう。 

 

染めたその時に染まった色こそ自分の色だと思います。



アカメガシワ 大野純子撮影
アカメガシワ

 

 

● 6月の染料植物 No.2 2015年

 

アカメガシワ と クマノミズキ

いずれも、この付近には多く自生しており、緑葉を使うときは8月から9月、葉が熟成する頃が適しています。アカメガシワは、春の新芽がポインセチアのように美しく、まだ色の少ない春先に色を添えてくれます。クマノミズキはちょうど今が花の季節です。

クマノミズキ 大野純子撮影
クマノミズキ

 

 

よく似たミズキも多く見られますが、クマノミズキよりも1ヶ月ほど前に花が咲きます。花を見ると見分けがつきませんが、クマノミズキは葉が対生、一方ミズキは互生、また、クマノミズキの樹形は何となく散漫な感じですが、ミズキは整然とした印象があります。

いずれも春先に木を切ると滴るほどの樹液が出ることがその名の由来だそうです。昔は囲炉裏の自在鉤をつるす梁に使われたそうで、水を吹く→火伏せ という、縁起から来ているそうです。

 

人の暮らしが変わり、このような文化も失われつつある事は、少し寂しいですね。

 

 


ヤシャブシ 草木染め材料 大野純子
ヤシャブシ

 

 

● 6月の染料植物 ● No.1  2015年

 

 

ヤシャブシ(矢車附子)とキブシ(木附子)

どちらも自宅近辺には多く自生しています。  

「附子」と名の付く染料植物は数多くあり、鼠、茶のように黒染に用いられるところから「ブス」の由来となったとも言われているそうです。

 

まだ下界の都会に住んでいた頃。 

ヤシャブシは染料店で買い求めるしかありませんでしたが、ここでは拾う気もしない程ワンサカ落ちています。

 

 

キブシは早春に蝋細工のような黄緑色の花がフジの花のように垂れ下がります。

キブシ 草木染め材料 大野純子
キブシ

まるで貴婦人のような趣きで、最も好きな早春の花の一つです。  

この時期、小さなライムのような実が房状に生ります。 

昔の人は、この実を集めて染めたそうですが、枝葉でもよく染まります。 

枝葉を使う場合は、葉の成熟する8月から9月が良いように思います。