2015年 9月

 

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軽石林道から
軽石林道から




9月21日(月)

筏場から皮子平へ

 

天城連山の万二郎岳から万三郎岳、さらに八丁池に続く稜線の北側にある皮子平は伊豆の秘境と言われるだけあって、どのルートから入っても 距離、時間ともに厳しいコースです。






今日は、ちょっと覚悟を決めて筏場から出発しました。

ワサビ沢の広がる筏場から筏場林道を進みます。




林道にゴロゴロと黒曜石が転がっているのにはびっくりしました。

黒曜石を使った銛や矢じりは伊豆産が多いらしいですね。

納得の多さでした。


筏場林道は広く歩きやすい道ですが、ひたすらにダラダラ登ることおよそ2時間。

ようやく皮子平に向かう戸塚歩道に入ります。



戸塚歩道に入ると景色は一変。


大木の林間の道は、岩も朽ちた木々も すべてが苔むしていて、まさに太古の森といった趣きです。

自らの重みを支えるかのように 身を捩りながらそびえ立つ巨木があるかと思えば、足元には無数のキノコ。



精英樹
精英樹




3200年前の皮子平火山の爆発的噴火によって流れ出した溶岩は、北西方向の筏場あたりまで4kmほど流れ、厚い所では50mに達すると言われています。


いったいどこから来たのかと思われるほどのワサビ沢の水。

沢も見当たらないのに巨木の森と苔むした大地。

軽石質の溶岩台地の地下に 多くの水を溜め込んでいます。


中でもひときわ巨大な杉の精英樹。

この木の種子から天城一帯の杉の苗木が育てられたそうです。

戸塚歩道を歩くこと1時間。 皮子平に到着。

ブナとヒメシャラが混じる林の中を火口跡へ。

鹿の食害がひどく、フェンスに囲われています。かつてを知る人によれば、マメザクラやオシダが生い茂っていたそうですが、、、今では鹿の食べないアセビばかりが目立つようになってしまいました。

ブナとヒメシャラ
ブナとヒメシャラ
フェンスに囲まれた火口跡
フェンスに囲まれた火口跡

軽石林道
軽石林道


帰路は上井屋歩道から、途中で戸塚歩道に入り、軽石林道を下りてきました。

軽石林道も下りと言えども長く、ようやく水音が聞こえ始めると、筏場が近いことが分かります。


予定では17kmほどでしたが、途中、林道の脇道のいくつかに寄り道をしたので、結局28km歩きました。

スマホのGPSでトラッキングの記録を取ってくれるので、歩行距離から累積標高、歩行時速から歩行時間まですべて分かります。便利ですね。

古いタイプの人間を自負していますが、利器は使います。


ノハラアザミ

春に咲くのはノアザミ。

夏から秋にかけてはノハラアザミが咲きます。

ベニナギナタタケと思われます。

色鮮やかなオレンジで細長く海藻のよう。

よく似たカエンダケという猛毒のものがありますがどうも違うようです。

ヒカゲカヅラ

杉の葉が地面を這っているように見えますが、シダ植物。

ツクシなどと同じ仲間で、花ではなく胞子嚢胞です。触ると胞子がポワンと出て来ます。


シラヤマギクでしょうか。

ノギク類は見分けが難しく、シラヤマギク、ヤマシロギク、シロヨメナ・・・どれなのか分かりません。

 

ツチアケビ

大きな赤唐辛子がニョッキリ地面から出て来たようです。

ヤマトリカブト


ミヤマシキミ

ツルニンジン




9月16日(水)

田子から安城岬まで


雨続きの9月。  

大きな水害もあり、山からはまだ水が抜けていないと思われるので、西海岸の遊歩道を田子から安城岬まで歩いてきました。

富士山までは霞んで見えませんでしたが、お天気はまずまず。


この辺りは伊豆の中でも古い成り立ちの地層を至る所で見ることができます。


1000万年前から200万年前、伊豆がまだ浅い海で、あちこちから海底火山が噴き出し、中には地上に姿を現した火山もあって、今の伊豆七島のような状態であったそうです。

その後、本州への衝突に伴って地上に現れた所がこの田子から安城岬、さらにその南の西伊豆の海岸線の崖や地層に多く見られます。


地層に興味を持ち始めてから、何でもなく通り過ぎていた所が面白くて仕方なくなりました。


そんなことは脇に置いても、美しい眺めに説明はいりません。






田子港の熱帯魚


西伊豆の海は暖かいのか、あるいは温暖化の影響なのか、港の中にはたくさんの熱帯の魚が泳いでいました。




震洋の洞窟


穏やかで美しい風景の中に、太平洋戦争の傷跡がありました。

ベニヤ板の特攻艇・震洋の格納庫として掘られた洞窟が一帯に36本も残っているそうです。


自然と手を合わせました。

ヒトツバ

海岸の近くの林間でよく見かけます。

ウバメガシの林に多いそうです。

浮島海岸・三ツ足

海底火山のマグマが冷えて固まったもの。

火口は遥か上にあって、その後の隆起と浸食でマグマの通り道のみが残ったそうです。




三四郎島

潮の干満によって、島に渡れる道が海の中に現れます。

トンボロ現象と言うそうです。

船に乗っている間に道ができたようで、歩いている人たちがいました。




洞窟めぐりクルーズ船に乗って、初めて堂ヶ島を海から眺めました。



天窓洞は、波で浸食された洞窟の天井が抜けたもの。

 

 

 

 

 



本日の締めくくりは  やはり温泉。

帰途の土肥で「弁天の湯」という地元の温泉につかってきました。

真ん前に駿河湾、かなり熱いお湯でした。