季を描く 大野純子

幼い頃、私は爪を噛む癖があったそうです。 困った母は手当たり次第に物を持たせたそうです。

 

そのうちに物を壊したり、組み立てたり、作ったり、切ったり、張ったり、縫ったり、編んだり・・・・料理や保存食作り、そしてさらにそののち・・・織りにつながる原点はそこにあったようです。

 

何だかいつも手を動かしていないと落ち着かない、手仕事大好き人間になりました。

 

季節と共に過ぎる日々のことを綴ります。                          2023年までのことは→こちら


ドクダミとクワ
ドクダミとクワ

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6月2日(火)夏近し

 

梅雨入り前の晴天が続きそうなので、ちょうど頃合いの野草を摘んで干しました。ドクダミに桑の葉にクロモジ。暮らしている土地に育つものが一番いいと思います。

 

わが家のまわりにはいろいろな野草茶の材料がよりどりみどり。これぞ贅沢、というもの。

 

 

クロモジ
クロモジ

今年も暑くなりそうです。麦茶と一緒に煮だして楽しむことにします。

 

たまっていた古いシーツやTシャツを、冬の夜の手慰みに細長く裂いて布テープを作っておきました。在庫がなくなったので布ぞうりを作ります。夏だけでなく一年中履いている必需品です。



4月15日(水)一雨ごとに

 

夕方から雨模様になるようです。一雨降るともう時期を外してしまうので、木の芽を摘みました。すでに花芽ができ始めていて、花山椒になっています。日ごと夜ごと、雨ごとにグングンと若葉が萌え出す美しい季節です。

 

かつて、里山には普通にあったと思われる花たちが、今でもわが家の裏山には残っています。自生している植物をそのままにして、極力手を加えないように(半分は手抜き)してきました。

 

静岡県の絶滅危惧II類のアマギカンアオイや準絶滅危惧のサクラガンピも普通に生えています。ミヤマウズラやトンボソウ、シュンラン、時にはキンランも現れることがあります。何のことはない裏山ですが、私にとっては豊かな裏山です。

アマギカンアオイ
アマギカンアオイ
シャガ
シャガ
ヒゴスミレ
ヒゴスミレ
エビネ
エビネ


 

3月15日(日)桜餅

 

桜餅作りました。 そういえば、昨年は米不足のあおりか、道明寺粉までも品切れになっていて、作ることができませんでした。

 

日々、季節季節、年々、何事もなく過ぎることが当たり前のように思っていますが、そうではないことを日々ニュースで見聞きしています。

 

 

桜葉の塩漬けは2年ほど寝かせたからか、柔らかく香りもよく、美味しそうに出来上がりました。

 

友人たちにもおすそ分けです。

詳しい作り方は →「桜葉の塩漬け&桜餅」


豆麴
豆麴

 

3月10日(火)八丁味噌

 

毎年お味噌の仕込みは冬場、遅くとも3月末までには済ませます。

 

名古屋で生まれ育った私は、ずっと八丁味噌に親しんできましたが、こちらに来てからは日々の食事も作るのも米麹で作るお味噌になってしまいました。 

 

本格的な八丁味噌は素人には難しいので、豆麹から作る方法で今年はお味噌を仕込みました。

 

こちらは米麹文化圏で豆麹を扱うところはありませんが、麹屋さんに聞いたら注文があれば作ります、との由。

 

早速挑戦です。豆麹は蒸かした大豆に麹を付けたもの、そのまま食べても甘くておいしいです。これを一晩塩水に浸し、翌日フードプロセッサーでペースト状にして、空気が入らないように容器に詰め込んでいきます。

 

重石の塩フタをして仕込み完了。二夏二冬熟成させます。

 

さてさて、どうなりますか。2年後が楽しみです。

 


 

2月19日(木)待っていました

 

 

ハコネダケのトンネルを抜ければ、陽射しがまぶしい。

 

三寒四温。今日は空気が冷たいものの、陽射しは明るく春近し。近くの山をひと歩きのついでに、探してみれば・・・

 

ありました、ありました。待ちわびたフキノトウ。

 

今夜はさっそくベーコンと合わせて、ほろ苦ペペロンチーノにすることにしました。美味しいんです、これが。

 

花盛りのわが家のランたち。陽だまりで日向ぼっこのななちゃん。初物のフキノトウ。

 

取り立てて特別なことは何もないけれど、心もゆるむ早春の一日です。


 

1月20日(火)寒中の愉楽

 

今日は大寒。年明けから暖かな日が続き、一滴も雨が降りません。あちらこちらで山火事が起きているのも気がかりではありますが、この時期にちょうど適した台所仕事がたくさんあります。

 

一層美味しそうになった白菜は、半日干して下漬けをしてから糠を入れて本漬けをします。

詳しい作り方は →「白菜漬け」

 

寒干し大根も直売所に出てきました。2日ほど水で戻してから、はりはり漬けにします。

詳しい作り方は →「はりはり漬け」

 

干し野菜3種。大根にネギにニンジン。

旨味も栄養も増して、保存もきく。言うことなしです。

 

 

あれやこれやをしつつ、火の番をして、夕方にはベーコンとスモークチーズも出来上がりました。

詳しい作り方は →「スモークベーコン」


友人宅からはダイダイが届いたので、ポン酢は明日にでも仕込むとします。

 詳しい作り方は →「基本のつゆ&ポン酢」

 

食べ物に向き合っていると幸せな気分になるから不思議です。

 

 

明日からは寒波がやって来るそうな。ほんとかなぁと思うほど暖かで穏やかな大寒の一日が暮れました。

 


 

12月1日(月)そんな季節

 

出窓をはさんで睨み合っている2人。

外に出てみたらなんと3すくみ状態でした。この季節になると、軒下の日当たりのよい植込みにカマキリが卵を産みにやってきます。

 

冬近し。

年々数は少なくなるものの、今年も無事、柿を吊るしました。

 

ななちゃんは、風に揺れる影を追ってひとしきりパタパタ遊んでいましたが、すぐ飽きて日向ぼっこに移行。子供の頃は飽かず遊んでいたのになぁ・・・・

 

 

ななちゃんも来年で16歳、私も猫年齢で言えば似たようなもの。

 

このところ指が乾燥して、スマホの指紋認証が効きません。そんな季節がやってきました。


 

11月1日(土)キノコ・ロス

 

 キノコシーズンが終わると、しばらくキノコロスです。淋しいので、季節の美味しそうな野菜を買い込んできました。

 

 新生姜はそれぞれに分けて、それぞれに作ります。赤梅酢漬け、甘酢漬け、ショウガジャム。

 

古根もあったので、すり下ろしてビンに詰め、野菜室で2週間ほど寝かせて発酵させます。生のままでは保存の難しい生姜は、こうしておくと1年中使えます。

 

赤カブはスライスして塩麹で漬けておいたので、夕食には食べれそう。

 

お味噌も天地返しをしました。今年の夏はとりわけ暑かったので、発酵もよく進んで、美味しい新味噌が出来上がりました。今夜はさっそく新味噌のお味噌汁です。

 

いろいろ仕込み終えたら、日が西に傾いていました。

 



サトタマゴタケ
サトタマゴタケ

 

10月2日(木)裏山にて

 

キノコシーズンも終盤に差し掛かりました。相変わらず、あっちの山、こっちの山の麓を跋扈する日々。

 

キノコの知識が1㎜もない頃から、わが家の裏の斜面に鮮やかなオレンジ色のキノコが出現することを知っていましたが、これが大人気タマゴタケと分かったのはまだ最近のことです。

 

今年は9月の終わりごろから次々と顔を出し、今朝見つけたものですでに11本になりました。

 

パッと見たところ、その毒々しいまでの鮮やかさで毒キノコと思ってしまいますが、とても美味しくて人気のあるキノコです。(私はさほど美味しいと思えない。と言いつつソテーしていただきました。)

 

最近、タマゴタケとは別のサトタマゴタケが新種として登録されたと聞きました。新種といっても、キノコの世界では、以前から2タイプあると言われてきたタマゴタケが、正式に2種類に分かれたということのようです。

 

さて、見た目で判別できるかといえば、まずできません。標高が高く、年平均気温の低い亜高山帯に出るものがタマゴタケ。標高が低く、年平均気温が高いところに出るのがサトタマゴタケ、というのが大まかなところだそうです。

 

なんと判定サイトなるものまでできていて、標高と年平均気温を入力すると判定してくれます。わが家のタマゴタケはサトタマゴタケと判定されました。

 

サトタマゴタケ
サトタマゴタケ
サトタマゴタケ
サトタマゴタケ

テングタケ科のキノコ
テングタケ科のキノコ

猛毒キノコのオンパレードであるテングタケ科のうちで、唯一といってよい食べられるキノコ。タマゴタケ以外は手を出さないことです。

 

近くに生えていたテングタケ科のキノコ。色的にはこちらの方がおいしそうですが。

 

 来年から、キノコ採りにあちこち出掛けないで、裏山で採ろうかなあ・・・・・


 

7月21日(月)土用干し

 

東海地方の梅雨明けは7月4日、関東地方は7月18日でした。熱海は行政区割りでは東海地方、地理的には関東地方、熱海の私はいつも、むむ…と思います。

 

夏らしい晴天が続いて、梅干しの土用干しを始めました。3日3晩といいますが、あまりに日差しが強い時はこだわらず2日で引き上げることもあります。

 

梅干しがまんべんなく乾くように天地を返しますが、盆ザルにくっついて、皮が破れてしまう失敗を私もよくしました。キッチンペーパーを敷くと良いとか、皆さん様々な工夫をされているようです。

 

夕方になると、日差しも当たらなくなって、塩分が水気を吸って梅がしっとりとしてきます。この時に天地を返すと梅が破れずに、「あらま」と拍子抜けするほど簡単にひっくり返すことができます。翌日、朝のうちでも梅はしっとりとしていますので、うまくいきます。これが最も失敗のない簡単な方法です。

 

何十年も梅干しを漬けてきて、ようやく見つけた小さな工夫です。失敗の積み重ねも大切だなあと梅干をひっくり返しながら思います。

 

今年もおいしい梅干し、もうすぐが出来上がります。

 


 

6月14日(土)やっぱり梅仕事

 

友人宅の梅が今年はほとんど生らなかったそうで、たまには梅仕事のお休み年にするかと思っていたところ、ドサッとやって来ました。ため息つきつつも、やっぱり嬉しいかも。

 

梅シロップ
梅シロップ

大ぶりの青梅は梅シロップに。中くらいの梅は少し追熟させてから梅干しに。良く熟したり、傷みがある梅は梅ジャムと梅味噌になります。ザっと15㎏はありそうです。

 

まずは梅シロップから。

3.5㎏のビンが2つ。氷砂糖が融けるまで、毎日転がす日が続きます。

 

 

 

梅味噌
梅味噌

良く熟した梅は、お味噌と砂糖を同量混ぜたものに埋め込んで、毎日かきまぜながら、1週間から10日ほど、梅のエキスが出て発酵するのを待ちます。

詳しい作り方は →「梅味噌」

 

 

こちらは梅ジャム。猛烈に酸っぱいけれど、ジャムの中では一番好きなジャム。

 

取り除いた種はビンに入れて、醬油をヒタヒタに注いで、梅醤油に。これも使いみちいろいろで重宝します。醤油は何度か注ぎ足して梅のエキスができるまで、使い切ります。

梅ジャム
梅ジャム
梅醤油
梅醤油

梅干し下漬け
梅干し下漬け

トリは梅干しです。今年は追熟に6日置きました。

 

家中に甘酸っぱい香りが立ち込めてきて、きれいに色づいてきます。どうしても追熟には差が出ますが、自然のもの、工夫あるのみ。

 

よく熟したものは梅酢が上がりやすいので樽の下の方に、青味の残るものは上の方に入れます。

あとは紫蘇入れを待つだけです。

 

とりあえずひと段落。結局、20㎏ほどありました。

ほっ・・・・

 

ついでながら、コーヒーリキュールも仕込みました。熟成して芳醇な香りになるまでに、4~5年待ちます。


キダチアロエと不夜城
キダチアロエと不夜城

 

6月2日(月)雨が続けば

 

ここ数日、雨と肌寒い日が続いて、思わずストーブを付けてしまう夜もありました。

 

こんな日こそ、ちまちま仕事の時間です。

 

毎年、ドクダミの花芽が上がってきたら、摘み取って化粧水を仕込みますが、今年は増え過ぎたアロエで作ることにしました。

 

子供の頃は、火傷をすればペタン、熱が出てもおでこにペタン、お腹が痛い時は刻んで、思い切り苦いアロエを飲まされたものです。

 

わが家には、昔ながらの医者いらずと言っていたキダチアロエと不夜城という葉の美しいアロエがあります。

 

洗って適当に切り、ビンに入れて、35度のホワイトリカーを注いで、2か月待つのみ。簡単、簡単。

 

山友の畑で採れた新玉ねぎは、思い切りサラダで食べてから残りを甘酢漬けにし、ニンジンと大根も同じく甘酢漬けにしました。

 

鬱陶しい日の続くこれからの季節、甘酢漬けは本当にさわやか。新ジャガを蒸して、新玉ねぎの甘酢漬けを加えて、マヨネーズとマスタードで和えれば、箸は止まりません。

 

ありがたや、ごちそうさま。

 


 

 5月3日(土)良き一日

 

どうしようかなぁ・・・・と思いましたが、思い切って少し大きめのスモーカーを買いました。

 

平均年齢までもう少し年月はありそうなので、新しいスモーカーも使い倒せるかと。

 

新しいスモーカーは、ベーコンを吊るしてスモークできるので、余分な水分や脂分が抜けやすく、2段構造なので上段に他の食材も置くことができます。

 

温度計を指すこともできるので温度管理も楽チン。空気の調整穴もついていて、スモークウッドの出し入れも簡単。

 

キッチンのベランダに置いて、様子を見ながらスモークすることができて、一層楽しくなりました。やっぱり道具は大切。

 

初スモークは、使い勝手を試行錯誤しつつでしたが、きれいに美味しくできました。

 

豚バラとショルダーのベーコン
豚バラとショルダーのベーコン
スモークチーズ
スモークチーズ

冷凍庫で冬眠していたぬか床を起こし、ぬかや塩、唐辛子に山椒の実、昆布を足して、捨て漬けのキャベツの葉投入。

 

しばらくはリハビリです。夏野菜が出始めて、ぬか漬けの美味しくなる季節がやって来ました。

畑で採れたおろ抜きのニンジンをいただきました。

 

柔らかそうで美味しそうなので、ゴロッと丸ごとエチュベにしました。たっぷりの葉もチリメンジャコと混ぜて佃煮に。

 

 

 

今年の冬は、高くて不作が続いたキャベツもようやく落ち着いてきました。久しぶりにザワークラウトを仕込むことができました。

 

こんなことをしていると、あっという間に一日が過ぎます。平均年齢もあっという間にやって来そうです。