12月の染料植物 

アタミザクラ(熱海桜)   2017年

 

毎年12月はサクラの染めの季節。 早くもアタミザクラが咲き始めました。

 

アタミザクラは何といっても熱海特有なので、私としても染めずにはいられません。紅梅の芯材や赤味の強い桜で染めると赤味の強い色が染まるといいますが、あまり変わりはないようです。

 

白花のオオシマザクラもこの季節に染めると美しい桜色です。

むしろ季節によって大きく違います。

 

染めには剪定した枝を細かくして使いますが、アタミザクラの特徴的な点はポキポキと折れることです。 ほかの桜は縦の筋が強くて折れずに裂ける感じで、日本の自生種とかなり違った印象があります。

 

寒緋桜系であることは間違いないところだとは思いますが、イタリア人が持ち込んだと伝えられているのも頷ける気がします。


 

 

 12月の染料植物 ● 2016年

 

ナンテン(南天)

 

お正月には付き物のナンテン。 とても身近な植物で、「難を転ずる」と言われて家の鬼門に植えられることが多いのはよく知られています。 

 

また、咳止めの「南天のど飴」は誰もが知っています。

 

お赤飯にもナンテンの葉が添えられますね。 

殺菌効果があると言われています。

 

 

草木染めは日常の生活と深く結び付いていて、肌身に着けるものにも縁起、薬効とともに物語性をもって古くから人々に用いられてきました。 ゆかしい文化だと思います。

 

ナンテンは切ってもすぐに脇芽が伸びて株立ちします。 剪定した枝葉を使います。

 


 

● 12月の染料植物 ● 2015年

 

サクラ(桜)

ほんの一輪、見つけました。

最初に咲き始めるのは熱海桜です。

たいていは1月に入ってからですが、今年は12月に咲き始めました。 

これから来年の5月まで、桜の季節が始まります。 

 

 

剪定した桜の枝は12月から1月にかけて染めに使います。

幸いなことに身近で手にはいりやすく、一番好んで使う染材です。 

 

 

花が咲く前、一番色をためているこの時期の枝は、何ともやさしい色をくれます。→色無地着尺 桜