1月の染料植物 ●  2017年

 

ウメ(梅)

 

熱海では桜よりも「梅はまだかな・・・」というのが普通です。 

 

標高400mほどのわが家の近くでは、ご覧のとおり熱海桜はずいぶんと咲いてきました。 

 

街中の初川沿いでは、散り始めていることと思います。

 

ウメがほっこりとようやく一輪。

 

 

早春に剪定した枝でもよく染まります。 

 

アルミ媒染でほのかな薄桃色、鉄媒染で鼠色を染めます。 

 

ふとした光の当たり具合で、ふわっと赤味が差すような鼠色は、「梅鼠」と呼ばれるだけあって美しさは格別です。


 

● 1月の染料植物 ● 2016年

タブノキ(椨の木)

 

城ヶ崎の照葉樹林にも多く見られましたが、この近くにもたくさん生えています。

 

染めた時の覚書によると、「5〜6回目の煮出しの染液はかなり赤味が増す。一晩そのまま置いてから染め始める。染液は粘性。」

染材にもよりますが、樹木の場合はたいてい20分に出しを8回繰り返して染液を採ります。

煮出しを重ねると出て来る色素が違ってくることはよくあることで、すべてを合わせるようにしています。

赤味の色が強い場合は、染めむらになることがよくあるため、一晩置いて酸化を促してから染めるようにすると、染めむらは少なく、赤味も強い色に染まります。

 

 

タブノキは面白い染料でした。

ネバネバの液、糸が吸ってくれるかしら と思いましたが、とてもよく染まりました。

 

「鳶八丈」に使われてきたと聞いていますので、納得。

 

2011年の「夕凪」の赤茶はタブノキで染めています。→紬織着物「夕凪」

 

2016年1月8日の「訳あって大室山 その2」もご覧下さい。→「日々のこと」