
3月18日(水)城山から発端丈山
城山南壁の直下、ロッククライミングのゲレンデからは元気な若者たちの声が聞こえてきます。
山歩きを始める前は何が面白くて黙々と山に登るのかさっぱり分かりませんでしたが、答えられないけれど今は分かります。
何が面白くて垂直な岩壁に登るのか、やっぱり登ってみないと分からないことは分かります。
以前はほんの小さな一株でしたが、ここ数年で、ずいぶんと周りに株を増やしてきました。
きっと鳥たちがたくさん実を食べに来るからでしょう。雄花と雌花があるようですが、見分けられませんでした。
帰路、見上げた城山南壁には、3人登っています。多分私がその面白さが分かる日は来ないと思いますが、がんばれ!私は、ここに来る度、こうして見上げるのを楽しみにしています。
3月12日(木)春一番
寒の戻りの冷え込む朝。登りで少し身体も温まってきた頃、振り返ってみると霞む東海岸と山々。春らしくなってきました。

間もなく春のお彼岸を迎える東光寺に続く参道にはたくさん赤いのぼり旗が立っています。
この光景に出会うと決まって思い出すのは、生まれ育った家の近くのお福稲荷です。子供の頃「こんこん様」と呼んで、小高い鬱蒼とした森に登って行く細い道の両側に真っ赤なのぼり旗が続いていて、一番奥のお社まで行くのが怖かった。
30分前のことも忘れるようになった今日この頃、鮮明に浮かぶ子供の頃の光景は懐かしくも不思議です。あのお福稲荷は今もあの場所にあるのでしょうか。

雄花と雌花が出始めました。
フォッサマグナ要素の植物であるオオバヤシャブシは、雄花の先に雌花が付きます。ヤシャブシはその逆。
伊豆、箱根、富士のフォッサマグナ地域は、かつて海であったところに南の海からやってきた伊豆半島がその溝を埋めるように突き刺さったところ。
新しい土地、激しい気候変動、苛烈な火山活動の盛んであった土地に真っ先にやってきて、独自の変化を遂げながら根付いていった植物たちの姿を、今、目の前に見ているわけです。思えばすごいこと、どうして雄花と雌花の位置を変えたのか、オオバヤシャブシのみぞ知る、でしょうか。
防火帯も兼ねるこの道は、年に何度かきれいに草刈りが行われます。おかげで草原特有の草花たちが年々、繰返し繰返し芽を出します。あとしばらくすれば一斉に芽を吹き始めます。
3月6日(金)八丁池
下り坂の予報が出てはいたものの、八丁池に着くお昼前には早くもこんな有り様。これはこれで幻想的ながら、登り始めはずいぶん暖かかったのに、すっかり冷えてきました。腹ごしらえをトットと済ませて、早めに引き上げてきました。
昨秋、ウスヒラタケをたくさん出して喜ばせてくれた木をチェックしたところ、何とヒラタケが出始めていました。
ウスヒラタケとヒラタケはよく似ていますが、梅雨ごろから夏、秋にかけて出るウスヒラタケとは違って、ヒラタケは晩秋から冬、春にかけて出てくる別名「寒茸」。姿形も出るところもよく似ていますが、ヒラタケの方がぼってり厚みがあって逞しい感じ。
上から写したものはウスヒラタケかヒラタケかよくわかりませんが、横から写したものはヒラタケの感じ、よく出ています。
冬枯れの森でうれしい出会いでした。まだ小さくて残してきましたが、あと1,2日すれば手のひらくらいの立派なヒラタケになりそうです。
2月27日(金)矢倉岳
金時山、明神ケ岳、矢倉岳の足柄三山。登っていなかった矢倉岳に行ってみることにしました。
21世紀の森に車を止めて登っていきます。眼下に相模灘と小田原の街並みが広がって、風もなく暖かな日になりました。

浜居場城址から山伏平へ続くルートを選択。初めてのルートと山は、いつだってワクワク、ドキドキします。
下調べをしたら、人気の矢倉岳の山頂はたくさんの人が来ているとのことでしたが、まだまだ2月、山頂は私一人でした。
眺めは申し分なし。富士山も5合目辺りまでは真っ白で、花の春、キノコの秋、待ち遠しいです。山頂のミツマタは咲き始めです。

帰路はピストンで帰るつもりでいましたが、地形図を眺めていたら、山伏平からきれいな尾根筋あり。歩いてみることにしました。
雑木林の明るく快適で歩きやすい尾根で、いくつかのピークを確認しつつ、のんびり下ってきました。
木立の向こうに見えるカヤトの山頂は大野山です。今年の春も歩きに行こうと思っています。

よくあることですが、こういう尾根は、降りる時が急で少々大変なことがあります。
等高線の混み具合から見ても、予想通りの急斜面でしたが、幸い山仕事の方が切り出した木で作った作業道を辿って、何とか着地し、市出発点の21世紀の森に戻りました。
2月16日(月)真鶴半島
先週の2日続きの雪は、ドカッと積もり、久しぶりに雪かきをしました。1日目の雪が凍り付いた上に2日目にさらに積もり、ツララは30㎝程にも成長しました。屋根からの落雪に注意というニュースがよく流れますが、その怖さを実感した日でした。
3日目に雨がしっかり降ったおかげで、雪は残らず融けたのは幸いでしたが、あちらこちらで凍結による断水が発生して、これは雪以上に大変。わが家は1日で復旧しましたが、お隣の伊東市はようやく今日、全面復旧となったようです。 やれやれです。

そんな日がつい先週にあったのがウソのような昨日今日の暖かさ。久しぶりに真鶴まで出かけてきました。
350年以上の樹齢といわれる常緑照葉樹やマツの大木が林立する「お林」。成長の早いスダジイやクスノキの大木に負けじと背を伸ばしたクロマツ。天井が高いためか、林内はさほどの暗さは感じません。
番場浦に出てきました。東海岸と天城の山々、初島に大島。三ツ石はちょうど潮が引いて、道ができていました。海は春の輝き。
2月2日(月)石仏の道
2月、陽射しが春めいてきました。
昨年暮れ、すぐ近くでツキノワグマがワナにかかって、殺処分されました。
数年前に松崎でツキノワグマがワナにかかった時、100年近く伊豆にいないとされてきただけに伊豆の住民はとても驚きました。昨今のクマの出没の多さ、伊豆よお前もか、という感じです。
私の植物観察のホームグラウンドは、このクマの目撃地からわずか2㎞程の距離です。年が明けてようやく今日、クマ鈴をリンリン鳴らしながら出かけてきました。
生きるために人里に出ざるを得なくなったクマも気の毒ではありますが、ともかくお互いのために出合い頭だけは避けなければと思います。
今年初めてなので、東光寺の閻魔様と奪衣婆様にご挨拶をしていきます。
東光寺から続くハコネザサのトンネルはとても好きな道ですが。クマも好きそう。見通しの悪いところはホイッスルも吹きます。
石仏の道はまだ冬枯れですが、すがすがしく、伊豆の島々も見えています。春一番の花たちが咲き始めるのが待ち遠しい。
1月28日(水)三度の八丁池
本日の八丁池。ようやく全面氷結しました。雨が少なくて、水も随分と減っています。少し歩いてみましたが、ペキパキ言うので、横断は諦めました。
天気予報は晴れでしたが、さほどの冷え込みはなく、どんよりと雲が立ち込めています。お昼頃からは急に冷えてきて、チラチラと雪が舞い始めました。急いで下りてきました。

冬枯れの森の中、落ち葉に埋もれながらも瑞々しい緑色の葉は、ミヤマウズラです。
常緑で地面に張り付くように葉を展開するので、冬は見つけるチャンスです。珍しいランではないのですが、近ごろはめっきり見かけなくなりました。ずいぶんたくさんの株が群生していましたので、今年の花が楽しみです。
1月16日(金)八丁池
朝方の強風は時間とともにおさまり、八丁池に着く頃にはすっかり無風で、寒中とは思えない暖かさになりました。
冬木立のブナの森は燦燦と陽が降りそそいで何とも美しい。
先週に続き再びの八丁池。あらららら・・・・全面氷結を期待していましたが、ここ数日の暖かさのせいか、ほとんど融けて薄氷の状態です。さすがに氷上散歩できません。
お昼を食べながら湖畔でのんびり日向ぼっこをしていると、やはり氷結八丁池を見に来た人あり。なんと、知り合いでした。八丁池の氷結を楽しみにしている人は結構います。
1月7日(水)八丁池
大晦日に体調を崩したななちゃんの具合も落ち着きました。
自慢じゃないけれど、わが家のネコはよくできた猫で、私に心配も迷惑もかけることなく15歳まで過ごしてきました。私は少し油断をしていたのかもしれません。手作りご飯を365日欠かさずに作ってきましたが、食べ飽きた様子の時など、もっと工夫をしてあげれば良かったと反省。
体に悪い食べ物は心を鬼にして極力あげませんでしたが、ここまで元気でいてくれたのだから、これから先は少し甘やかして、欲しがるものは食べさせてあげようと思います。

さてさて、天城に馴染みのない花友を案内がてら、青スズ台を回って今年の初歩きは八丁池へ。
どんよりと雲が垂れ込めた冬らしい日ながら、さほど寒くはなく無風。快適な山歩きです。
久しぶりの青スズ台はアセビが背高く生い茂って、すっかり眺望がなくなってしまいました。標柱上のドウダンツツジはそれでも元気で、ぷっくりとした花芽が膨らんでいました。
八丁池展望台です。八丁池は半分凍っています。彼方の南アルプスの輝く山並みが美しい。
うっすらと雪が被っているのかと思いましたが、霧氷のようだと友が教えてくれました。よく見ると花が咲いたように枝に氷着していて、とても美しい景色でした。陽が差せばあっという間に消えるそうなので、曇天のこんな日だからこその光景です。
もうしばらく寒さが続けば、全面凍結しそうです。時々ピリッとヒビが入りはしたものの、氷上散歩楽しみました。
富士山の絶景スポットに寄り道しながら降りてきました。
12月30日(火)玄岳
今年も明日で終わり。お天気も良いのでササッと行って帰ろうと思い、玄岳へ。
わが家から登山口までは車でわずか10分、コロナ下でどこの登山口の駐車場も入れなかった時に度々来ました。ずいぶんと久しぶりです。
ササ原の向こうに富士山が見えてきました。年の瀬のこんな時、意外にもたくさんの人が登ってきていました。
スカイラインの駐車場から登れば15分くらいで登れることもあってか、年の終わりに美しい富士山を眺めたい、というようなところでしょうか。
暖かな日で、まるで春霞がかかったような景色ですが、ぐるり一望です。
氷が池にも久しぶりに降りてみました。ずいぶんと水量が減っていますね。
今日で、歩き納めです。

12月23日(火)八丁池
一年の最後、皆でとん汁をしようと集まりましたが・・・・ 鍋担当が肝心の鍋を忘れて、一同大ズッコケ。
鍋はなくとも、晴天で風のもなく穏やかな森を、あちらこちらへ、足の向くまま徘徊しつつ、八丁池まで登ってきました。
富士山三景。
どこで見ても富士山は素晴らしいけれど、樹々の隙間からのぞく白砂天井からの富士山は、どういう訳か巨大にそびえ立って見えるのがいつもながら不思議です。

大小屋天井の精霊ブナ。
ここ3年ほどは、その根元から周りの地面に広がるほどのナラタケが大群生して、楽しませてもらいましたが、ナラタケは木にとっては大敵。ナラ菌に入られた木は3~4年で枯死するともいわれています。
この精霊ブナも、衰えが目立って、そろそろ寿命を迎えそうです。
昨日は冬至、陰陽転ず。これから冬本番を迎えるものの、陽に転ずる冬至の日が私は一年で一番好きです。
今年は一年怪我なく元気に楽しく山歩きを楽しむことができました。すべての事に感謝。来年も元気に山を楽しめますように。
12月19日(金)青野山
婆裟羅トンネルの脇からよじ登った尾根を辿りながら、下田で一番高い青野山へ。
地図にコンパスを当てながら初めて歩く道は、ドキドキしながらもとても楽しく、時々間違ってはダメ出しされても、まぁ面白い。
尾根上のところどころに、送電線の鉄塔が立っていて、景色が望めるところがあります。ホッとひと息です。

青野山544.6m山頂です。本日の同行者は山名版の制作・設置者でありまして、記念撮影をしました。
帰路は途中から支尾根に入って、新たな道で下山しました。一見簡単そうでしたが、うっかり見落とした小さな支尾根がいくつもあり、やり直したりして、面白い地図読みコースでした。
伊豆の最高峰・万三郎岳でも1406m。低山の連なる伊豆半島は、低山ゆえに麓に暮らす人々との繋がりが緊密で、山のあちらこちらにその痕跡がしのばれる遺構が残っています。
今では、山と人とのかかわりが希薄になってしまって、こうした忘れ去られた遺構に出会う度、懐かしいような、淋しいような、胸が少し痛むような思いになります。

12月17日(水)城山
まずは麓の山の神様にご挨拶して。
きっと日本中にはたくさんの「城山」というところがあると思います。鎌倉時代から戦国時代にかけて山城が築かれた所です。伊豆の国市の城山は「じょうやま」と呼びますが、湯河原の「城山」は「しろやま」です。
城山は頼朝を匿った土肥氏の居城と言われています。山頂からの眺めが素晴らしい。
この一帯は頼朝に所縁の史跡がとても多いところで、今では訪れる人もまばらな山の中に埋もれるようになりながらも残っています。
12月ももう半ばが過ぎ、散り残った紅葉も最後の最後、森はひっそりと静かになってきました。
12月8日(月)最後の紅葉
いつもは登山道から見上げる城山の南壁ですが、ロッククライマーたちのゲレンデ、南壁の真下まで行ってみました。垂直にそそり立つ岩壁の頂上は見えません。
こんな所、よく登るねぇ。
益山寺までやってきました。
大イチョウは散って一面の黄金の絨毯となり、大カエデは今が盛り。樹齢数百年のこの2本の大樹は、静かな山里のお寺でこれからも年月を重ねていくことと思います。
今年も訪ねることができて何より、元気な証です。来年もまた来ますよ。
発端丈山まで登ってから引き返します。
帰路、大岩、小岩が転がる城山登山道で、私たちの後ろで大きな音がして、ワッ!落石か!と振り返ると、ゴロゴロと男性が転がり落ちてきました。急いで駆けつけると、寝返りを打つように横に転がったのが幸いしたのか、手の指に何か所か切り傷ができていた程度で、他は大丈夫そうな様子。
ちょうど一年ほど前。私が大転倒した時も、大きな外傷はなかったものの、後になって、肋骨にヒビが入っていて、歯の根っこも折れているのが判明したので、帰宅したらよくよく確かめて下さいと声をかけて別れました。大丈夫だったでしょうか。
山歩きには危険は付きもの、最後の最後まで気を抜かずに歩かねばと改めて思った出来事でした。
11月28日(金)八丁池
八丁池は初めて、という花友を案内して出かけてきました。ブナもヒメシャラもすっかり葉を落とした冬木立の森の、降り積もった錦の落ち葉の絨毯に燦燦と陽が降り注いで、何とも美しい初冬の森です。

富士山麓でもヤシャビシャクを一緒に見に行きましたが、天城のヤシャビシャクは初とのことで、私の知っている7株を案内して回りました。
すでに葉を落としてしまっていますが、たくさん実をつけた株もあり、春の花の時にも再訪の約束をしました。
ヤシャビシャクは、大きなブナに着生するスグリ科の落葉小低木ですが、2022年に富士山麓のヤシャビシャクが、フガクヤシャビシャクとして別に新種登録がされました。
ヤシャビシャクは静岡県の絶滅危惧Ⅱ類、環境省は準絶滅危惧種に指定してますが、フガクヤシャビシャクは新種登録が最近されたこともあり、状況はまだよくわかっていないようです。
いずれにしても、なかなか生き延びるのが難しい生育環境にいるので、出会うのもなかなか難しいのです。ずっと定点観察してきた株も、ずいぶん年老いてきましたし、一番の大株は今夏の猛暑のせいか、半分枯れてしまいました。
この二つ、細かな違いがあるようですが、来年の花期にはじっくり見比べて観察してみようと思います。
