11月17日(月)天城錦秋
いつもの所に集合して、さて、今日はどうやって歩こうか。同行者にお任せして、足の向くままに尾根筋を辿りながら黄金色に輝く森の舞い落ちる枯葉の雨の中、歩いてきました。
紅葉類は一足早く落ちたところですが、真っ赤に染まる落葉の絨毯も輝くような美しさです。
ぜいたく、ぜいたく。
天城特有のブナ。地面近くから無数にタコ足のような枝を四方に伸ばして、ずんぐり、どっしり天城の主です。
11月14日(金)二ツ塚
クマは怖いけれど、歩かないと足が衰えて認知症になるのも怖い。どうせなら好きなことを選んだ方がマシと思って、雪に閉ざされる前にやってきました。
寒さ対策にダウンジャケットもリュックに入れてきましたが、なんのなんの、ブレーカーを脱いでも暑いくらいの小春日和。

樹々は葉を落として陽が降り注ぎ、冬木立の隙間からのぞく富士山に向かってずっと登っていきます。
カラマツの黄葉はすでにピークを過ぎてはいるものの、まだまだ陽に輝く黄金色が美しく、雲一つない真っ青な空、風も穏やかで、こんな日は1年のうちでもめったにありません。本当に来てよかった。
下塚に登ってみました。振り返ると雄大な上塚、宝永山、富士山頂の三段重ねがドカンと目の前です。南に目をやれば、愛鷹山塊の山並みに天城の山々、伊豆七島もうっすらと浮かんでいます。
今日すれ違ったのは一人と三人グループ。一様にクマ対策の話になり、お互いに情報交換をし、結局のところ会わないようにするしかない、というのが行きつくところです。
先日見かけたシカもそうでしたが、今日出会ったシカも5mくらいの距離になっても一向に逃げる様子を見せず、草を食べていました。人間恐れるに足らず、という情報が動物界に行き渡っているのかもしれません。
富士山の麓の散策も今年は今日でおしまい。また来年の春を楽しみに。
11月6日(木)天城は秋始め
キノコ・シーズンはキノコを探して、あっちウロウロ、こっちウロウロ、チンタラ歩きが続くので、シーズンが終わった途端に運動不足にハッと気づきます。久しぶりに、ミッチリ歩いてみようと思います。
いつもの基本コースで、この尾根を登ってみようとか、この尾根を降りて帰ろうとか、少し地図読みしながら思いつくままに、紅葉の始まったブナの森を歩きました。

枯葉の落ちるかすかな音、サクサクと落ち葉を踏む足音、梢の鳴る音や鳥の声、甲高いシカの鳴き声を聴きながら静かな森を歩くのが大好きなのですが、最近はクマが怖いので、クマ鈴携行、時々ホイッスルを鳴らしたりして歩きます。
自分のクマ鈴の音がうるさくて、かなりうんざりしていますが、背に腹は代えられん。クマと人間、うまく折り合いがつけられることを願うばかりです。
樹々はほんの少し色づき始めました。標高が高いところではカエデがいち早く真っ赤に色づいて、思わず足が止まります。 白砂天井の大アブラチャンは、少し黄色くなってきた感じ。
こんな時期にまだ幼菌のヌメリスギタケが。クリタケも結構出ていましたが、すでに成菌。ブナの森のキノコもこれで来年までお別れです。

静かな森でも、生き残りをかけて、密やかに厳しい木々の確執があるようです。いったいどんな年月を過ごしてきたのかとふと足を止めてみます。
タコ足のような根で大きな切り株をからめとっているようなリョウブ、シカに樹皮をかじられてしまったヤマグルマ、ヒメシャラの枝のわずかな隙間に根を下ろして紅葉しているカエデ。
逞しい。

晩秋のキノコ、クリタケが出ていました。まさに栗のようで可愛らしい。クリタケが出始めると、ブナの森のキノコシーズンも終わります。
もう、来年が待ち遠しくなりました。
あちこちで熊の出没や事故が相次いで、山歩きの予定を変更したりと、身近な人たちの間でも影響が出ています。
私も気を付けながら秋から冬へと移り変わる山歩きを楽しみたいと思います。
10月28日(火)晩秋の植物観察
酷暑の夏から一転、10月は雨続きの日々で、急に冷え込む日もあり、久しぶりに穏やかな秋が味わえた今日は、もう10月の終りです。ケヤキが色づき始めました。
葉腋にムカゴが付いています。珍しいです。調べてみたところムカゴイラクサのようです。
雌雄同株、こちらは雄花らしい。以前から見かけてはいたものの、きちんと調べたのは初めてです。来年、雌花の時期にじっくり観察してみることにしましょう。

草原に出てきました。いつ来てもその折々の花が咲いて、楽しませてくれます。
小さなシジミチョウがヤマラッキョウの花に群れ飛んでいます。ウラナミシジミに似ていますが、どうでしょう。
後羽根の先に触角のようなものがあって、しきりに羽根をこすり合わせて動かしています。
ミツを吸っている最中、後ろからやって来る敵に触角と思わせ、ちゃんと見ているぞと勘違いさせるためにあるそうな。小さな生き物の生き残り戦術、すごいですね。
今日の一番のお目当て、ウメバチソウ。咲いていました。

夏の草原の中では目立ちませんが、秋になると俄然、目立ちます。冬間近になり、一面枯草色になった草原になると一層真っ赤に紅葉したアリノトウグサはよく目立って、何ともシックな風情になります。
ススキの穂並みに、穏やかな海と島。入り組んだ海岸線を見せる東海岸。美しい伊豆です。
本日の狙い、ムキタケです。晩秋に出始めるキノコで、ツルリ・トロリとした触感で、私はコンソメでシンプルなスープにするのが好きです。よく汁気を吸うので、すき焼きに入れたりしてもとても美味しいです。
狙いどおり、カゴいっぱいにムキタケを収穫して、大満足です。ムキタケが出始めると、キノコ・シーズンもそろそろ終わり。
10月も半ばを過ぎてなお、富士山に初冠雪の便りはありませんが、森は美しく色づき始めて、あとしばらくしたらこの辺りも雪に閉ざされることになりそうです。
富士山麓でのキノコ採りも今日が最終日となりそうです。また来年。早くも待ち遠しくなりました

10月8日(水)今日のキノコ
5日前、ナラタケ・ツリーにウスヒラタケ・タワーを満喫しましたが、さて本日はどうなっているでしょうか。
ナラタケはすでに最盛期を過ぎ、成菌から老菌になりかかっている状態のものが多く、湧き出るように這い上る木々が見飽きるほどありました。

一口にナラタケといっても、最近ではいくつかに細分化が進んだようです。ナラタケ(広義)の基本的な特徴は同じですが、地域によってずいぶん違いがあるのを実感しています。
その中で、これは初めて見るナラタケ。全体的に黒っぽくてクロゲナラタケでしょうか。黒っぽい=クロゲナラタケという単純な帰結はよくありませんが。
木の洞に守られるようにしてヌメリスギタケの一束。
ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、スギタケ、ツチスギタケ、スギタケモドキとよく似た見た目のキノコがたくさんあります。このうち、ヌメリスギタケとヌメリスギタケモドキは、まあ安心して食べられると思っています。他は人によっては中毒を起したり、本によっては有毒とされているので、手を出さない方が賢明です。
ヌメリスギタケとヌメリスギタケモドキはカサの鱗片の違いで見分けています。ヌメリスギタケはカサも柄もぬめると言いますが、乾燥しているとよくわかりません。規則的で端正な感じの鱗片がヌメリスギタケでしょうか。
そろそろ、晩秋のキノコが出始める季節になってきました。まだまだ、しばらくキノコに遊んでもらいます。
10月3日(金)秋のキノコ
富士宮口五合目まで登ってきました。夏山シーズンの終わった富士山はすっかり静かで、近くを散策する人や山小屋や道路の冬支度をする人たちがパラパラいる程度です。
私と友人は五合目から少し下りながらハナイグチを中心に探します。
9月25日(木)村山古道
山友を誘って、キノコ偵察を兼ね、村山古道を歩きました。ようやく猛暑がおさまってきて、朝晩は少し冷えるようになりました。
わずかに残る古道の痕跡を辿りながら、五合目から六合目へと昇ってきました。
少し霞んではいるものの、晴天。弧を描く宝永火口は見飽きぬ美しさです。標高2500m、一桁台の気温かと思ってダウンジャケットを持ってきましたが、まるで真夏のような暑さでした。
9月18日(木)まだまだ猛暑

いったいいつになったら秋は来るやら。標高2000m、例年の今頃なら、朝は一枚羽織りたくなるくらいの気温ですが、今日は半袖でも暑いくらいです。
気温が下がらねば地面の温度も下がらず、キノコは地上に出てきません。

菌果薄い本日のキノコは、ハナイグチ、キノボリイグチ、アミハナイグチ、ススケヤマドリタケ、オオキノボリイグチ、ヤマドリタケ、シロヌメリイグチ、ヤマイグチ等、イグチの仲間。
ホウキタケ、コウタケ、クロカワ、ツガタケ、オオツガタケ、ホンシメジ、ショウゲンジ、カワムラフウセンタケ、ヌメリササタケは少しだけ。 オニナラタケもポツリポツリ。こうして列挙してみれば、富士山の裾野のキノコの種類の豊かさは格別です。
雨と秋を待ち望むばかりの本日の菌行でした。
9月11日(木)秋の植物観察
明け方、猛烈な雷雨でしたが、予報では日中はまずまず。思い切って花友と出かけてきました。予報以上に良い天気になりました。

久しぶりの雨でしっとりした林間の道は気持ちよく、東光寺の手前ではひとつ、ふたつヒガンバナが咲き始めていました。
まれに見る猛暑といえど、花は宇宙の中で我を失わず季節を違えませんね。右往左往しているのは人間だけです。

沢沿いに湯河原道を下って、何年かぶりで見に来ました。
数年前には、川べりに一面に広がる花が見事でしたが、その後の台風の土石でかなりダメージを受けたようで、花芽を付けるほどに成熟した株はほとんど見られないのが残念でした。
小さな株はたくさん残っていましたので、あと数年後の再生を待ちたいと思います。

登り返して岩戸山までやってきました。初めてだという同行者と、せっかくなので岩戸観音まで下りてみました。
岩戸山まで来たのはチャボホトトギスを見つけたかったからですが、残念ながら出会うことができませんでした。
林床の花たち。見かけたツルリンドウは全て白花でした。意外に珍しい。
草原まで戻ってきました。ススキの穂が一面に揺れる南斜面が美しい。
秋の花々、今年も変わらない顔ぶれにほっとしています。
9月9日(火)キノコの王様
今日撮った写真はこの1枚のみ。型は最高、ズシリと重く、だれもかれも大喜びをしたのは言うまでもありません。
このくらいの蕾ですと、ほとんどマツタケの匂いはしませんが、持って歩くと少しずつ開くのか、匂いがしてくるのが普通ですが、今一つ香りに乏しい。
キノコ師匠に持ち帰ってもらって、じっくり鑑定をしてもらったところ、どうやらニセマツタケらしい!マツタケと間違えて売られていることもあるようなので、素人にはどうにも鑑定はできません。
残念ではありましたが、楽しませてもらいました。
9月3日(水)キノコシーズン開始
富士山五合目須走口、毎年シーズンの幕開けはここで始まります。相変わらず続く猛暑と雨なしであまり期待は持たずに、それでもやはり来たくてうずうずしていました。
行ったことがないという同行者のために、小富士に立ち寄りました。山頂に登る小さな人の姿まで見えるほど晴天で素晴らしい景色。
天城の山々、駿河灘、丹沢の山並み、南アルプスの山々も見えて爽快です。眼下の雲海は夏の積乱雲、空高くには刷毛ではいたような涼やかな秋の巻雲が広がっています。こんな夏から秋へと移り変わる空を「行き合いの空」というのだと、キノコ師匠が教えてくれました。
