3月の染料植物 

          2017年

モミジイチゴ

 

早春からバラ科の植物はたくさん咲き始めます。 

クサイチゴ、モミジイチゴなどの野イチゴ類、ユキヤナギも咲き始めました。 

もちろんウメ、サクラもバラ科です。

 

経験上、バラ科の植物はたいていよく染まることが分かっていますので、試しにワンサカ生えているモミジイチゴで染めてみたところ、よく染まりました。 

難点はトゲだらけなので、取扱注意ですが、花も密やかに美しく、実が生れば果実酒にしています。


クロモジの花
クロモジの花

 

 

3月の染料植物 ● 2016年

 

クロモジ(黒文字)

 

 

 

黒文字といえば「楊枝」を連想される方もおられるでしょう。

クスノキ科特有の芳香があり、和菓子用の高級楊枝として使われています。

 

 

 

私も熱海に転居するまで、クロモジの木を見たことはありませんでしたが、至る所に自生しています。

 

キブシの花
キブシの花

 

 

伊豆半島では、かつてクロモジの枝葉を蒸留して「クロモジ油」を採っていたそうです。

早春に咲く花は5㎜程の小さな小さな花がまとまって咲きます。 

 

 

 

その薄黄緑色の透き通った蝋細工のような花は、キブシの花とともに早春の貴婦人のようです。

 

 

 

染料としては年間を通して染められますが、油分が多いので色むらになりやすく、布染には向かないように思いました。

 

季節によって、かなり色合いが変わります。

 

<B-1>色無地着尺。

 

これば3月に染めたものです。