10月2日(月)富士山五合目
11月22日(水)塵が積もって
今日は暦の上では小雪。それなりに構えてきたものの、2枚脱いでもまだ暑い。夏用のTシャツを着てきて正解でした。
天城の晩秋、それはもう、ただただ美しい、の一言でした。
定点観察中の大ブナのヤシャビシャク。
いつもは黄葉が美しいのですが、今秋は葉が少なく、心なしか元気がなさそうに見えます。
出会ってからもう何年経ったでしょうか、少しずつ年老いていっているのかもしれません。
晩秋のキノコであるムキタケの中に、とりわけ遅く冬近い頃に出始めるものを、昔からオソムキタケと呼んでいたそうです。
分析技術は発達して、DNA解析で全く別種と判明したそうです。とはいえ、姿形、発生場所からは見分けがつきません。あえて言えば、写真のように暗い青緑色や紫がかった色のものが多いようです。
ムキタケより小ぶりでも肉厚で、食べてみれば違いはなく、トロリ、ツルンとして美味しいキノコです。
私事ですが。今日、100回目の八丁池となりました。歩き始めて来年で10年です。塵は積もります。
不思議なことに100回同じところを訪ねていても、飽きたことがありません。いつ来てもその時その時の季節の移ろいと森に畏敬の念を抱きます。
この先、どこまで歩けるでしょうか。楽しみです。
11月15日(水)幕山から南郷山へ
今回が山デビュー2回目の友人と出かけて来ました。自宅からも近く、身近な山です。1回目より少し距離も長く、標高差もあり、2度目でも嫌にならないように。
今回で2山達成の友人はちょっと誇らし気に見えます。記念撮影をいたしました。
幕山も南郷山も標高600mあまりの低山ですが、駿河灘に浮かぶ島々や東海岸の山々、すぐ真下には湯河原や真鶴のの街と真鶴半島が見えて、走る車も見えるほど。
手に取るような眺めが低山の良さかと思います。
秋の花たちも咲き始めています。
帰路、幕山をグルリ西側から回ると、少し色付いた樹々が麓を染め始めています。今年は暑い夏でしたので、紅葉の時期も少し後ろ倒しでしょうか。
11月13日(月)初雪
紅葉見物を兼ねて、今年最後に御殿庭まで歩こうと出かけて来ました。
先週までは真夏日があったほどの陽気。一時雨の予報が出てはいましたが、歩き始めて程なくパラパラとあられが落ちてきました。じき止むだろうとの予想に反して、どんどん降ってきて、林内はどんどん白くなり始めました。
ついでに晩秋のキノコでもあればとの思いは吹っ飛び、これは引き返した方が良さそうということになりました。
水ケ塚の駐車場に戻ると一面真っ白。道路にも積もり始めていました。
友人の車で来ましたが、想定外、冬支度もなし。
ともかく一刻も早く下ることになりました。ローギアで恐る恐る、ブレーキは極力踏まないようにして、何とか雪のない道路までたどり着きました。
つくづく山の天気は怖い。
11月の半ばには、毎年カラマツの黄葉を見に来ていた私にもこの時期の雪は初めて。改めて、山は見くびってはならないと思います。
気を付けます。気を付けましょう。
11月8日(水)天城中秋
富士山の雪も姿を消し、今日も暖かな11月とは思えない一日。青空に映えて何とも何とも美しい秋の森の佇まいです。
先週のキノコの成果に気を良くして、今期最後の天城のキノコ探索に出かけて来ました。
昨日かなりの雨が降ったので、状況としては良いはずですが、そこは人間が都合よく考える浅はかなところ。1週間で様子はすっかり変わり、成菌だったキノコもたっぷりの雨にすっかりやられて、溶けたような状態の老菌に成り果てているものが多くなっていました。
大きなブナシメジの株を2つ見つけました。残念ながら、すでに老菌で食べ頃を過ぎていますが、独特な大理石模様がきちんと残っていますね。
スーパーで売っているブナシメジとは、味も姿も格段の違いがあります。もちろん天然のものは、同じものとは思えないほどおいしいです。残念、1週間遅かった。
ままならないところもキノコ採りの面白いところです。人間にままならないことなど5万とあるんだ、ということを思い知った方がいい人が、それこそ100万といる今日この頃を思います。
昨日の雨で息を吹き返したのはヌメリツバタケモドキとウスヒラタケ。
ヌメリツバタケモドキのカサ裏はクチャクチャとして独特。ヌメリツバタケが真っすぐなのに比べると違いがよく分かりますが、味としては変わりません。
ウスヒラタケは私の最も好きなキノコの一つ。
独特な歯ごたえ、今晩のお味噌汁で楽しめるほどにはゲットしました。
こちらは正体不明。倒木にたくさん這い上っていました。マスタケの仲間でしょうか。
天城の森もこれから晩秋に向かいます。冬枯れの森もまた一段と清々と美しいものです。また来ましょう。
11月2日(木)お礼ハイキング
昨年、お世話になったキノコ師匠ご夫妻へのお礼を兼ね、初秋の八丁池をご案内した折、まったく想定外のキノコの大収穫になりました。
そんな出来事に気を良くして、今年も八丁池までお連れしました。今年からキノコの弟子入りをした方や天城は初めてという方たちも一緒です。
キノコシーズンの最後を飾る一日ですが、ここ2週間、全く雨の降らない状態で林床はカラカラ。2、3度下見をしたものの、キノコはほぼ皆無。せっかく楽しみにやって来た人たちに何とか楽しんでもらいたかったのですが、師匠も私も諦めムード、絶望的状態におりました。
そんな私たちを慰めてくれたのは、陽に輝き色づき始めた美しいブナとヒメシャラの森。
鏡のように美しい八丁池のほとりでお昼を済ませ、諦めモードにムチ打ってブナの倒木を一つ、また一つチェックしながら下ります。
かなり降りた頃、ムキタケがびっしり付いた倒木に遭遇。さらにその先、5m四方に広がるチャナメツムタケの大群生にも遭遇。
皆大喜びです。なかでも師匠と私は一番ホッとしたのではないでしょうか。
その後、クリタケにも遭遇。私はクリタケ2度目で、まだしっかり同定ができません。来年の宿題です。
ナラタケがお好きな師匠が一番楽しみにしていたのは、昨年大群生のあったブナ。
このカラカラ状態で、「絶対ないと思う」と言う師匠に「わかりませんよ。」と言いつつ99%無理かと思っている私。
こればかりはままなりませんが、何と今年もブナに這い上る群生に再会し、予想を裏切られ大喜びとなりました。
今年の夏の暑さはキノコの出、時期、種類に大きく影響したようです。キノコにとっては最悪なカラカラ状況でも、次の世代を育てるために出てきてくれたようです。
ナラタケ、ムキタケ、チャナメツムタケ、クリタケ、ヌメリツバタケモドキ、ブナシメジ。秋のブナ帯のキノコたちに一通り出会えた一日となりました。
今年も思い切り楽しませてくれてキノコに感謝、森に感謝です。来年まで力を蓄えて下さい。
11月1日(水)万二郎岳
11月に入ったというのに、最高気温が25℃の夏日予報の出ている今日。山の上さえかなり暖かい。
今年「キノコデビュー」をした友人を誘って、天城山にキノコ探索に来ました。昨年ムキタケをたくさん見かけたあたりをチェックしてみましたが、まだようやく出始めたというところで、やはりここでも夏の暑さの影響が出ているようです。
私は明日もキノコ採りの予定が入っているので、万三郎岳はパスし、ショートカットして万二郎岳を回ることにしました。
キノコは今一つながら、馬の背に続く尾根は色づき始めたブナが何とも美しい。梢の間から、雪をうっすらまとった富士山もチラチラと見え隠れし、気持ちの良い尾根歩きです。
後ろの友人がはみ出るほどの太さ。ごつごつしたこぶを山ほどまとい、大きなウロまで抱えた老木。
一見しただけでは正体不明ながら、どうやらマメザクラらしい。どうやって長い年月を生き抜いてきたことやら・・・・
森は奥深い。
ふかふかの林床、木の葉に埋もれるようにして顔を出した、チャナメツムタケも見つけました。木の葉を掻き分けるとたくさん顔を出しました。
今晩のお味噌汁に程よい分だけを二人とも収穫出来ました。
久しぶりの万二郎岳です。
天城山は「日本百名山」の一つなのですが、山名板がずいぶんと気の毒な有様になっていました。
昨日の雨のせいかかなりもやっていますが、三筋山から続く稜線が見えてきました。友人が重なる尾根の説明をしてくれます。眺めているとあの尾根を辿ってみたくなります。家に帰ったら地形図を見てみよう。
真ん中あたりに浮かぶ大理石模様、ブナシメジではないかと思いましたが、自信なし。
あとで師匠に確認したところ正解でした。
ブナシメジはなかなか出会えないキノコの一つです。
10月25日(水)裾野にて
異論のある人は恐らくいないでしょうが、いつどこで見ても富士山はつくづく美しい山、別格です。キノコでいえば別格・マツタケでしょうか。こちらは滅多に見つかりませんが。
ほんの1週間の間に、森はずいぶんと色づいてきました。下ばかり見て歩くキノコ採り。ふと見上げた樹々の見事さ。この森がキノコを育てています。
キノコも最終盤、最後のムキタケを求めてやって来ました。例年ですと、老菌になっている頃ですが、今年は夏の猛暑で後ろ倒しのようです。まだまだこれからという、形の良い幼菌のムキタケがびっしりです。
倒木のウロに、仲良く折り重なるように入り込んだムキタケが可愛い。
もう一つの狙いはチャナメツムタケ。こちらもまあまあです。
富士山の頂に雪がつき始め、裾野のカラマツもずいぶんと色づいてきました。この豊かな森に、今年も存分に楽しませてもらい感謝です。
10月23日(月)キノコ探索
空は澄み渡り、風は穏やかで、陽射しが心地よく、暑くも寒くもなく、今日のお天気は1年のうちでもめったにないような一日。
青空にくっきり浮かぶ稜線の山並みの向こうには、駿河灘に浮かぶ船までも見えました。
キノコ探索を兼ねて、森の中をあちらへ、こちらへと彷徨しながら、苔むした岩、見事なブナたち、色づき始めた樹々、流れる雲。 何度来ても、いつ来ても森は美しい。
晴天続きでキノコはさっぱり。それでも、この森に包まれて豊かな散策を楽しみました。
お陽さまの下側にアーク状の彩雲が見えます。
彩雲は吉兆と聞きます。
10月18日(水)山デビュー
同い年の仲良しが、本日めでたく山デビューしました。
「本気かいな」とかなり半信半疑でしたが、持ち物を揃え、毎日ウオーキングも始めて、どうやら本気らしい。
一番近くて無理のない、私も初めて一人で山歩きをした岩戸山まで行ってみることにしました。
秋晴れの絶好のデビュー日和です。
久しぶりに十国峠まで来ました。
その名のとおり、十国がグルリ見渡せる、遮るもののない絶景の場所でしたが、近ごろ流行りのグランピング施設が立ち並んで、残念な有様になってしまいました。
心配しつつ、無理なら途中で下りようと思っていましたが、どうやら大丈夫。
無事、岩戸山まで到着。私もホッとしました。
誇らしげな様子です。
帰路は、相模灘と浮かぶ島々、天城の山並み眺めながらススキの原を下って、無事デビュー終了。
私も山歩きを始めたのは還暦手前。それでもそろそろ10年になります。誰にだって、何にだって初めの一歩があります。始めないと話にならん!
山歩き、好きになってくれるいいなあ…と思いつつ、付き添いの役目無事終了しました。
10月16日(月)八丁池
キノコの下見を兼ねて、ブナの倒木をチェックしながらジグザクジグザク、八丁池までの森を歩きました。暑くもなく寒くもなく、滅多にないような爽やかな秋晴れです。
遅れているキノコの発生ですが、ようやく秋のキノコも顔を出し始めました。
ブナの朽木を這い上るヌメリツバタケやヌメリツバタケモドキ。
透き通るような白さで、もろくて儚いキノコですが、ツルリと舌触りがよくお味噌汁によく合います。
秋のブナ帯の王様、ムキタケはやっと出始めました。やはり来週、再来週あたりがピークのようです。
毎年のように間違って食中毒を起こすツキヨタケは、同じブナの倒木に生え、幼菌の時はそっくりですので要注意です。
珍しい樹々も同行の友人に教わりました。
ブナとヒメシャラが互いに捩れるように巻き付いて一体化しています。
アマギシャクナゲが同居しているヤマグルマ。今年の春には花も咲かせたそうです。
このヤマグルマは私も知っていましたが、アマギシャクナゲが着生していることは初めて知りました。来年の春が楽しみになりました。
厳しい自然を生き抜いてきた樹々たちの来し方に思いを巡らせながら、秋の一日、森に遊ばせてもらいました。
10月11日(水)ようやくの秋
夏山シーズンの終わった富士山の裾野はすっかり静かで、山肌を草紅葉が降りてくる様が美しい。
この数日の間に一気に朝晩冷え込み、冷たい雨も降って森のキノコの回復に期待が膨らみます。
林床の苔もたっぷり水分を吸って、ふかふか、しっとり、瑞々しさを取り戻しています。
木のウロにはサンゴハリタケが出ています。
まだ小さく、大きくなると両手いっぱいほどになり、針状の枝を伸ばしてまさに樹上の珊瑚です。
サッと湯がいてワサビ醤油、辛子醤油、マヨネーズに七味で食べるのも美味しいです。
秋のキノコの代表、ムキタケも出始めました。
お味噌汁に入れて良し、コンソメスープでも良し、トロリとしてまるでフカヒレのようです。汁気をよく含むので、すき焼きに入れると美味とは師匠のアドバイス。
本日の狙い目の一つ、チャナメツムタケは期待に反してあまり出ていませんでした。
猛暑の影響でしょうか。ピークはもう少し後かもしれません。
主のいなくなった鳥の巣は、秋の終わりのを告げるかのようです。
キノコの季節も終盤が近づいています。あと少し、今月いっぱいくらいは楽しませてもらえるでしょうか。
10月5日(木)八丁池
車の中で富士山の初冠雪を告げるラジオを聞きながら、久しぶりに天城の森へ。 朝晩急に涼しくなっては来て森は快適な季節です。
富士山がきれいに見えています。
約束を違えることなく秋の花が咲き出してきました。
ゆっくりゆっくり散策しながら、キノコもチェック。
今年の夏の猛暑で、キノコの発生がどこも遅れているようです。このまま秋が終わってしまうかもとも言われていますが、どうでしょうか。
10月2日(月)富士山五合目
10月に入り、ようやく秋に気配がしてきました。この夏の猛暑で地温も気温も高く、各地でキノコの不作が報じられていました。
富士山の裾野でもずっと芳しくなく、諦めモードでした。ここ2日ほど久々に雨が降ったので、諦めきれない私たちは再びやって来ました。真っ青な空に残る月と山頂が美しい。
山小屋のご主人に話では、この辺りでは雨は降らなかったとのこと。う~~ん・・・・
かなりがっかりしながら森に入って行った私たちの予想を裏切り、キノコは大漁。
例年ならば、もっと早く出るはずのナラタケは至る所、爆発的に出ていました。
すでに姿を消しているはずのハナイグチやキノボリイグチもまだまだ健在。
巨大なハナイグチやコウタケ。ザブトンコウタケと言っているそうな。
秋のキノコもようやく顔を出し始めました。
本日のキノコは、オニナラタケ、コウタケ、クリフウセンタケ、チャナメツムタケ、ハナイグチ、キノボリイグチ、アカハツ、アンズタケ、キヌメリガサ
オレンジ色が美しいアカハツとアンズタケ。オムレツが美味しいそうです。
9月25日(月)御殿庭
今年の夏は本当に暑い夏でした。朝晩はさすがに少し涼しくなったものの、もうすぐ10月の声が聞こえるこの時期になっても、まだまだ暑さは続いています。
キノコも地温が高いためか、毒キノコさえ少ない状態です。 嘆きながら御殿庭まで登って来ました。標高2000m弱、さすがに地面の状態は少しマシなようです。
キノボリイグチが連なって、木に登っている場所に遭遇。列をなして順々に木に登って行く様子は何とも可愛らしい。
キノボリイグチは、ハナイグチとともにカラマツ林下に生える美味しくて人気のあるキノコです。
ハナイグチに比べると野性味があると言われ、私はキノボリイグチが大好きです。
お目当ての一つ、アカモミタケ。
裏も表も美しいオレンジ色。
クリームパスタにすれば、きれいなオレンジ色のソースができるのですが、今回はわずか数枚。残念、残念。
真っ白な殻から頭を出した、いかにも清楚な「死の天使」
これ1本で、確実に死に至るキノコです。
本日のキノコ。キノボリイグチ、ハナイグチ、アミハナイグチ、コガネヤマドリ、シロヌメリイグチ、アカモミタケ、ナラタケ、カワリハツ。
キノボリイグチがたくさん採れたので、美味しいお味噌汁ができそうです。
もう少し季節が進めば、地面も空気も冷えて、キノコが回復してくるでしょうか。去年はよく採れた年でしたので、こんな年もあります。自然も一休みしないといけないでしょう。
9月19日(火)富士山五合目須走口
9月も終盤に入ったというのに、相変わらず暑い日が続いています。
今日は、友人を初めてのキノコデビューに誘いました。地図読みを教えてくれた人です。私は伊豆の低山をウロウロする程度ながら、地図読みとキノコ採りを教わって、何倍にも山歩きの楽しさが増しました。
このお二人にめぐり合えたことは、山での大きな収穫です。
本日のキノコ。
ハナイグチ、キノボリイグチ、アミハナイグチ、シロヌメリイグチ、チャナメツムタケ、サクラシメジモドキ、ホウキタケ、カワリハツ、コウタケ、アカモミタケ、オニナラタケ、アンズタケ・・・・こんなところでしたでしょうか。
コウタケは少しでしたが、とても美味しいキノコなので、早速サッと熱湯に通してから乾燥させました。
何だか木屑のようにも見えますが、水で戻して炊き込みご飯にすると、その名前どおり、素晴らしい香りのキノコご飯ができます。
マツタケに負けないほどの魅力的な、キノコ採りに人気のキノコの一つです。
暑くて晴天続きのせいもあるためか、成果は芳しくありませんでした。キノコ師匠は、今年のこの場所のキノコ採り終了を宣言。 また来年です。来週からは場所を移し、まだまだキノコ採り続きます。