4月24日(月) 矢筈山と遠笠山
南の海のはるか彼方からやって来た伊豆半島。 ドカンと本州にぶつかって、今もクイクイ押しています。
丸ごと火山でできていると言って過言ではない伊豆の中で、火山の代表スタイルの2山を歩きました。
矢筈山とほぼ同時期に噴火した孔の山の足元を歩いて、矢筈山へと向かいます。
雲仙普賢岳で有名になった溶岩ドームを形成する火山です。
粘り気の多い溶岩のために火口にこんもり盛り上がって独特な山の形ができます。
溶岩もなんだかイヤイヤ押し出されてきたようなムードが漂っています。
いたる所ゴロゴロの岩だらけで、苔むした美しいロックガーデンとなっています。
岩の隙間からは温風が噴き出す(夏は冷風らしい)穴があちこちに開いていて、地の底とつながっているのを感じます。
矢筈山が噴火したのは2700年前。伊豆の陸上では一番新しい火山です。
山頂からはもう一つの火山の代表、スコリア丘の大室山が見えます。
安息角を保った美しい形ですね。
矢筈山から遠笠山へ。
矢筈山と違って粘り気の少ないシャバシャバの溶岩が噴水のように吹き上がってできたのがスコリア丘の遠笠山です。
習いたての「地図読み」の復習を兼ねて、頂上まで地図とコンパスを見ながら直登。
簡単! と笑うことなかれ。
これでも初めてで結構ドキドキしたのです。
三角点に無事到着し満足の一行です。
あいにく靄っていて、景色は望めませんでしたが、真っ赤なスコリア、流れ出した溶岩を観察しながら、まだ蕾のマメザクラを見ながら下りてきました。
NEW!
4月21日(金) 地図読み・登尾
以前スキルアップ講座でお世話になったMさんを先生に、本日は地図読みの練習で登尾へ。
多分、分かりやすいコースを選んで下さったことと思いますが、コンパスと地図だけで(本当はスマホのGPSの助けも借りて)尾根を辿ります。
「コンパスは嘘をつかない」とのこと。
初心者ながら、そのとおりになっていくので本当に面白い!
寒天橋から出発。まずはそろってコンパスで方向確認。ほどなく立派なお礼杉やミツマタの群落が現れます。
新山峠からは気持ちの良い尾根が続き、次第に立派なブナが増えていき、登尾到着。
コンパスの基本的な使い方、
山座同定の方法、
歩いている両側がどんな地形になっているか、
これからどんな地形になっていくか予想をしながら歩くこと、
広い尾根に注意すること、
地図に現れない小ピークに気をつけること、等々。
実地で教わりながら確認すると山歩きはますます楽しくなってきます。
登尾の山頂はブナやヒメシャラ、クロモジやアブラチャン、マメザクラの群落が広がる気持ちの良い所でした。
山頂からの下りはかなり急で、忠実に尾根を辿って下りていきます。
伊東アルプスはアップダウンの波状攻撃でしたが、ここの下りは鉄砲のようにズドンと一辺倒です。
奥佐ケ野に下りる手前で、山からの湧水を引いたワサビ田が現れました。
さらに下ると美しく手入れされた杉林が見え始め、無事ゴールです。
今日は先生がいて仲間も一緒だったので不安はありませんでしたが、地図とコンパスだけで一人歩けるかなあ・・・。
でも、先生にだって初めの一歩はあったはず。
よく知った簡単なコースから始めてみようかと思います。
4月20日(木) 函南原生林
今日は友人とそのお姉さんと私の3人。
昨年も一緒に来ましたね。
3人とも植物好きなので、進まない、進まない。
3人そろって虫眼鏡で見始めたら最後、さらに進みません。
2週間前に訪ねた時からグッと春は進み、林床は愛らしい花々で賑やかでした。ゆっくり御照覧あれ。
4月14日(金) 伊東アルプス
沼津アルプスに対抗したのか、伊東アルプスとは誰が名付けたのでしょうか。
またまた、クスッと笑ってしまいましたが、沼津アルプス×2=伊東アルプスというくらい、ハードでありました。
「安息角」という言葉をご存知ですか?
地層に興味のある方には馴染み深い言葉で斜面上の物体が滑り出さずに止まっていられる角度の事で、大体35度前後です。
きれいな円錐形をした大室山もそんな斜面の角度を保っている火山です。
私はこの「安息角」と言う言葉そのものが妙に好きで、なんだか斜面の上の石ころがやっと止まってホッと一息ついているような微笑ましいイメージを思い浮かべてしまいます。
気持ちの上で平穏な時は25度くらい。 何とかやってる時は35度。 37度くらいでもう無理で、プチッ切れる40度。 といった具合。
さて、伊東アルプス。
その安息角越えの上り下りの連続で、両手両足を総動員で這って上り、半ば滑り落ちながら下りまして・・・。 伊豆市と伊東市の市境界となっているこの尾根道は桜の街道となっていて、ちょうど満開を迎えたオオシマザクラ、ヤマザクラ、マメザクラはそれはそれは見事でした。
時々振り返ると、歩いてきた尾根道がずっと白い桜の帯となってアップダウンしながら背骨のように続いているのが見えるのです。
この景色は歩いた人しか見ることのできないもの。
つらさも吹っ飛ぶ豪華な花見でもありました。
この桜に再び出会えるのなら来年もまた来ようね、と友人と二人、無事奥野ダムへとたどり着いたのは夕暮れ近くでした。
氷川峠に近付くにつれて、海底火山の噴火の痕跡を示す岩塊が見られるようになります。
4月5日(水)
函南原生林
私の年間定期コース。
とりわけ春4月の第一週目は素晴らしいのですが、今年は3月末から4月初めにかけての寒さのせいか、林床の花たちが出遅れているようでした。
小さな小さな、本当に小さな地面を這うような草花は、この時期こそのもの。
こちらも地面に這うようにして、アリの目線で眺めないと見つからないかわいらしい草花たちがいっぱいです。
3月22日(水)
沼津の浜
先日歩いた沼津アルプス(3月8日)の鷲津山山頂からの写真にちょうど写っています。
弓なりの海岸線に沿った緑の帯は千本松原です。
砂浜を歩いて行くと、狩野川の河口とそこに開けた沼津港。
狩野川を渡って我入道、海に突き出したこんもりした山が牛臥山です。
一番手前の緑地が沼津御用邸のあたりです。
千本浜 : 振り返れば延々と松林。
富士山に南アルプスの絶景かな。
びゅうお : 沼津港の大型展望水門。
この名の由来は何か。
私は「景色のビューに沼津の魚(うお)」をかけたのではないかと言い、友人は「ビュンと登って見える景色にウオ~と感動したから」と言い。
正解は私ですが、つまらん答。
友人の答えに拍手です。
牛臥山: 今日一番見たかった所。この辺りもかつては海底火山であった所で海底溶岩ドームが見られる。
よくよく見れば、溶岩の流れた跡の「流理構造」が見られます。
タフォニもありました。
沼津アルプス : 真ん中のこんもりと急峻な山が「大平山」だそうで。
沼津アルプスも見る位置でずいぶん違います。
本日のメインイベントは、「たまには沼津港で旨いお寿司を食べよう」ということなので、御用邸まで歩いて沼津港に引き返すと、ちょうど腹ペコでお昼にありつきました。
3月8日(水) 沼津アルプス
正式には静浦山地といいます。
通称「沼津アルプス」。
初めてその名を聞いた時は、いかにも温暖で穏やかな伊豆の地に暮らす人たちの名付けた呼び名らしくて、かなり大笑いをしましたが、今は笑いません。
山歩きの先輩たちが口をそろえるように、なかなかに手ごわい「アルプス」でした。
田方平野にいきなりポコポコと連なる山地は、一番高い鷲頭山でも392m。 決して高い山はありませんが、急峻なアップダウンの連続です。
断面図を見るとよく分かります。
全景写真と比べてみると、同じですね。
浅い海で活動していた火山の噴火による噴出物でできた地層が、伊豆半島の本州への 衝突に伴って隆起してできたのが「沼津アルプス」です。
そんな成立ちのダイナミックな歴史を感じながら、「奥沼津アルプス」といわれる「大嵐山」から出発。
「徳倉山」を下りて横山峠までをヒーハー歩きました。
富士山:至る所で富士山。 昨年の秋に歩いた富士山の二ツ塚も雪を頂いてよく見えます。(右端雪の稜線のすぐ上に2つ円錐形の山あり。)
大嵐山から大平山(おおべらやま):海底火山の噴出物の痕跡、凝灰岩のゴロゴロ転がる尾根を行きます。
ロープづたいや垂直のはしごを下りて大岩を巻くところもあって、なかなかに厳しい。
石丁場跡もあります。
北江間横穴群: 帰路立ち寄りました。
私たちの歩いた山はほぼ全山凝灰岩でその山麓にはたくさんの横穴群があり、昔のお墓の上を歩いていたわけです。
大平山から鷲頭山 : 細い岩尾根とウバメガシの群落。
中将岩: 平重衡が隠れ住んだと伝わります。
ぼたもち岩: 凝灰岩の大きな塊ですが、大平山までの尾根道に転がっていた岩塊の方が断然大きかったです。