11月29日(水)
伊豆三山
最近は「ブラタモリ」のおかげもあって、地層に興味を持つ人が増えたそうな。
いいことですね。
田方平野にポコポコといきなりそびえる城山、葛城山、発端丈山の伊豆三山は、大地の成立ちの一端を垣間見ることのできる山々です。 海底「火山の根」といわれ、急峻な山塊、マグマが冷え固まった柱状節理の岸壁がその印です。
城山南壁: ところどころに柱状節理も見えます。
垂直にそびえ立つ岩山はロッククライマーの間では有名だそうで、今日も崖の下の方から若者たちの声がします。
七つ石: 巨石が七つ。
海底火山時代の置き土産か。
龍神岩: 葛城山登山道の途中、なるほど、龍のウロコのようです。
雄飛滝: 柱状節理にかかる滝。
流れる水も源流近く、水のないこともよくあるそうです。
白鳥山: 採石場になっていて、削られた面の柱状節理がよく見えます。
大迫力です。
今日の紅葉はどこを見ても言うことなし。
益山寺: 樹齢900年という大楓に400年という大銀杏。
ひっそりとした境内は、天地人すべてが赤と黄に染まる見事さ。
私の還暦祝いに友人がケーキを持って来てくれました。
いつもは跳ねるように歩くのに今日はすり足で来たそうな。
おかげでケーキはきれいな原形のまま。
発端丈山山頂で二人、かぶりつきました。
こんなお祝い、最高です。 ありがとう! 兎にも角にもこの年まで病気も怪我もなく無事に来られたことにただ感謝あるのみです。
また新たに生まれた時に戻って、元気に山歩きを楽しみたいと思います。
11月21日(火)天城・晩秋
河津七滝では今日から紅葉祭りが始まったようですが、上るにつれて裸木が増えて紅葉はすでに終盤。
それでも散り残る色とりどりの樹々や散り敷く落ち葉をサクサク踏んで、静かな天城の森の晩秋を愉しみます。
青スズ台が近づいてくると、足元はザクザクという音になってきました。
霜柱です。
霜柱はクルリと少しカールがかかっています。
重い地面を必死に持ち上げて撓んでいるのでしょうか。
日陰の枯れ葉には真っ白な霜。
白砂天井: 夏に降りた時は胸の高さほどの幼木が密生して藪漕ぎ状態でしたので、1129mピークを避けて少し北寄りを歩きました。
ふと見下ろせば、裾野まで見える雪の富士山に南アルプス、駿河灘も見えています。
天城ではせいぜい富士山の頂上付近が見える程度で、こんな場所があるとはびっくりです。 それにブナやヒメシャラも巨木の多い白砂天井は、夏ならば見えなかったでしょう。
幸運なめぐり逢いでした。
今日のお昼ご飯: 5年保存可の非常災害食。 ローリング・ストックのため、時々食べては新たに買い足しています。
お湯で15分。
青スズ台でお湯を入れて、八丁池に着いたらいい具合。
美味しくてまた食べたい!とは言わないまでも味はまあまあ。
お水でも戻せますが、今日のように寒い日には温かなご飯がうれしい。
八丁池に向かう歩道はいくつもあり、私もずいぶんと歩きました。
顔見知りの樹々たちに会うのも楽しみの一つ。
シカが届かないところに根を下ろして、しっかり成長を続けいるちょっと変わった樹々たちを中心に紹介しましょう。
<1>オオルリ歩道のモミジ: 元の木はブナの朽木。 今年もきれいに紅葉しています。
<2>青スズ台のドウダンツツジ: 人の建てた木の標柱と思われるテッペンで大きくなりました。 毎年花も咲きます。
<3>白砂天井のアブラチャン: アブラチャンはご覧のようにホウキ状の株立ちをするものが多く、枝を広げた円周は軽く5mを超えます。 お見事! シカはアブラチャンを食べないのでしょうか。
<4>寄生木多数: 元の木はもはや分かりません。 寄生しているのは判るだけでもモミジ、リョウブ、ヤマグルマ、アセビ・・・
落ち葉当てクイズ
紅葉は終盤で役者も少ないながら、今年もやります。
分かりましたか?
正解はこちら→ 落ち葉クイズ2017 答え
11月16日(木)
箒木山から万二郎岳へ
南東側の箒木山から初めて万二郎岳を目指しました。
箒木山山頂は広く四方が見渡せます。
奈良本や稲取、さらには南伊豆の風車群、下田や爪木崎、三筋山に細野高原も一望です。
海と空の境には伊豆七島が点々と浮かびます。
南側から初めて見る天城の山々も新鮮です。
大室山もいつも見ている姿と少し違って、南側の小さな火口もおへそのようで可愛らしく、大地にポコッとできた吹き出物みたいです。
中道分岐を過ぎると万二郎岳が立ちふさがるようにそびえており、「これ、登るのか~~...」というような急登が続きます。
赤崩場(アカクンマ)から立岩へ、だんだんと火山らしい名残りの地形が現れてきます。
万二郎岳山頂は2年ぶりでしょうか。
冬の梢の空は明るく冷たい空気が清々しい。
少し下りた岩場からグルリ景色を楽しんで、今日は万三郎岳まで行かず折り返しました。
紅葉も終盤です。
冬枯れのマルバダケブキは、綿毛を残してツクツクと立っています。
枯れてなお風情あり。
NEW!
11月9日(木) 愛鷹の峰々
6月に訪れたのは愛鷹山塊の南側。 今日は北側、愛鷹山神社より登ります。
黒岳から真正面の富士山は雪を頂いて、宝永火口が目の前。
5合目の車や小屋までよく見えます。
このところ富士山の周りをウロウロしながら眺める富士山は、どこで見ても、どんな姿であってもは千両役者です。
鋸岳展望所:鋸岳は目の前、本当にギザギザですね。
足下は絶壁です。
呼子岳までの尾根道は、穏やかな晴天、富士山の同伴、紅葉の美しさもあってそれはそれは快適なのですが、崩壊の進む愛鷹山塊にはうっかりできない場所があります。
特に呼子岳近くの細尾根は人一人分ほどのところもあって、ふと我に帰れば、両側はスッポリ切れ落ちていてゾッします。
割石峠: その名の通り、斧で真っ二つに断ち割ったようです。
この先鋸岳方面は危険過ぎて廃道となっています。
確かに、あのギザギザ、登れそうにありません。
大沢: 帰路は割石峠から岩がゴロゴロの沢筋を文句を言いつつ、慎重に歩きます。
下流になるにつれて紅葉が美しくなってきます。
杉の自然林: ただ真直ぐの植林した杉とは別物のようです。 自然に育った杉の樹形は力強く美しいですね。
イワカガミ : 越前岳から呼子岳にかけて、ツヤツヤとした葉が岩にへばりつくように群生していました。
やっと見つけた花一輪。 友人と二人宿題として調べたところ「イワカガミ」と判明。
写真で見たことはあるものの実物は初めて。
花期は5月頃らしいので、名残りの花でしょうか。5月にはアシタカツツジも咲くと聞きます。
花々を愛でにまた来ることにしましょう。
11月2日(木)
西湖の南岸
紅葉台から三湖台、五湖台、段和山、羽根子山へと続く西湖南岸の尾根。
落ち葉の散り敷いた尾根道は、ふわふわサクサクとして足に優しく快適です。
おまけに、葉を落とし始めた木々の向こうには右手に富士山、左手には山梨の山々と西湖がずっと付き添ってくれます。
西湖の対岸に連なる山々は王岳、鍵掛峠、鬼ケ岳、十二ケ岳、毛無山・・・遠くから見ると雪かと思った白っぽい筋は、近くで見ればところどころ岩の山肌で結構急峻です。
近いうちに歩きたいと思っています。
五湖台まで来ると河口湖が見え始め、黒岳や三つ峠山も見え始めます。 遠く樹海の向こうに見えるのは精進湖でしょうか。
河口湖畔からバスで西湖の西側まで戻り、竜宮洞穴に立ち寄りました。
この辺りは青木ヶ原樹海の北端、ちょうど貞観噴火の溶岩流が到達した末端近くです。
登山道脇の露頭にそんな様子がうかがわれます。
ソヨゴ : 草木染をする人ならば一度は染めてみたいと思うソヨゴ(冬青)がこの辺りには自生しています。
そういえば、八王子の中山先生と一緒に富士吉田までソヨゴを採りに来たのはもう25年以上前のこと。
さらにそういえば、紅葉台に友人に連れて来てもらったのは40年も前のこと。
中山先生はかつて八王子で大きな機屋を営んでおられましたが、職人さんを探すのに八王子から松本まで自転車でよく行ったとおっしゃっていました。
八王子から松本まで山越え谷超え自転車で行くなんて想像もつかないことだったので、不思議に思って尋ねれば、50年近くも前の戦後間もない頃の話でした。
まるで昨日の事のように話されたものでした。
私も25年前の事や40年前の事をまるで昨日の事のように思い出す年となりました。
年をとるってこういうことかと、妙に納得しました。