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アケボノソウ
アケボノソウ

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10月7日(水) 秋の植物観察

 

先の見えないコロナ禍が続くものの、徐々に活動が再開されていて、熱海も観光客が戻ってきたと聞きます。

 

 

 

少し遠出もしたいのですが、行った先の地元の人にも悪いような気がして、近場を交互に行ったり来たりしています。 

 

この道も頻繁に歩くようになって、その分草花たちの移り変わりが細かく分かります。いいこともあるということです。

 

湯河原分岐
湯河原分岐

 

 

 

曇りがちながら穏やかな日ですが、海には白波が立ち始めており、樹々に囲まれた遊歩道の中でもざわざわと変な風が吹き始めています。

 

 

 

 

 

姫の沢の展望台からの景色は全くの白黒。 海の彼方の台風の気配を感じます。

 

岩戸山山頂
岩戸山山頂

岩戸山まで歩いて折り返し、石仏の道にやってきました。 

 

 

前回来たのは3週間ほど前だったでしょうか。 

 

ススキの穂波も白くなり、秋も終盤の顔ぶれになってきました。

 

 

 

ウメバチソウ: 今日のお目当てでしたが、残念ながらまだ蕾。 もうあと1週間ほどでしょうか。

 

ちょうど隣に写りこんだセンブリもまだ蕾です。

 

 

 

 

 

アシタカマツムシソウもイズコゴメグサも終わりの時期を迎えていて、うす紫のヤマハッカとノコンギクが花の盛りを迎えていました。

 

ノコンギク
ノコンギク
アシタカマツムシソウ
アシタカマツムシソウ
ヤマハッカ
ヤマハッカ
タチフウロ
タチフウロ
イズコゴメグサ
イズコゴメグサ
アキノキリンソウ
アキノキリンソウ
オトギリソウ 実
オトギリソウ 実

ベニシタン 実
ベニシタン 実

 

9月30日(水) 八丁池

 

コロナの自粛、猛烈な酷暑、秋の長雨と続き、本当に久しぶりに気持ちの良い日になりました。 

 

快晴の日の森の中は、大きなブナたちの影も色濃く、ドカンと立ちはだかるようです。

 

ブナとヒメシャラの森
ブナとヒメシャラの森

今日は朝の早いうちに富士山の見える方に来てみました。28日に富士山の初冠雪の発表がありましたが、今日は雪は見られません。 秋が深くなるにつれて富士山も美しくなります。

富士山、駿河灘、静浦山地
富士山、駿河灘、静浦山地

 

今日の八丁池です。水辺の草が少し色付いてきましたね。青空を映した伊豆の瞳です。

ヤシャビシャク:定点観察中。 

 

 

 

 

黄色い葉っぱと未熟な実を見つけました。

 

 

実を手に取るのは初めて。

秋になるとこんなチャンスが訪れます。

 

 

このヤシャビシャクの着生しているブナも随分と大きく、測ったことはありませんが根元のグルリは5~6m、いやもっとあるかもしれません。次回は測ってみることにしましょう。

 

 

アケボノソウ: 本谷川沿いで見かけました。

まあ、まあ、まさに朝日の中に鳥が飛び立つようないで立ち。 美しい花ですね。

 

 

 

シロヨメナ: 秋の天城の林床はシロヨメナの大群落で埋まります。可憐な花ですが、鹿が食べません。

 


 

9月17日(木)

初秋の植物観察

 

姫の沢公園を抜けて東光寺に登っていくと、一面ヒガンバナの群落が広がるところがあります。 

今年はまだ蕾の方が多く咲き始めたところのようです。もうすぐ秋の彼岸の入りです。

 

 

かつて「鬼が棲む」と言われた東光寺には、春秋のお彼岸の時にここを訪れると亡き人に出会うという言伝えがあるそうです。 

 

私の母はこの近くの斎場で荼毘に付しましたので、ここに帰って来ているやもしれません。 

 

 

 

しかしながら、晩年長くこの世で病に苦しんだ母を見てきた私は、「もう帰ってこなくていいよ」とつぶやき閻魔様にも奪衣婆様にも「よしなに」と手を合わせてきました。 

それでも母を思い出し、何とはなく懐かしい気持ちになりました。

 

 

今日はこの花を見に来ました。

アケボノシュスランです。 

 

湯河原に下る沢沿いの道はたいてい鬱蒼としていますが、今日はきれいに草刈りされていたので少し心配しました。 

 

水辺の小群落は足の踏み場もないほど見事でした。

 

 

 

 

「曙繻子蘭」という名のとおり、曙の空のようなうっすら紅を差した花、小鳥のくちばしのようにあまり開き切らない可愛らしいかたち、繻子のような肌合いの葉。  

 

 

絶滅が心配されている花でもあります。

オオバヤシャブシ
オオバヤシャブシ

 

途中、奇妙なものを発見。

真っ白でサンゴのようなかたち。

 

これはキノコなのか、菌従属栄養植物なのか、寄生植物なのか、あるいは粘菌か、地衣類か。

まったく見当がつきません。

 

森は奥が深い。

 

ノブキ
ノブキ
ノブキ  実
ノブキ 実

 

 

登り返して石仏の道にやってきました。 

 

 

 

 

 

ここからは秋の草原の花たちです。

 

メドハギ
メドハギ
コケオトギリ ?
コケオトギリ ?

 

サワヒヨドリ: 秋の草原の主役のひとつ。 よく見ると筒状の花から細い糸のようなものが飛び出しています。 

先が2裂した雌しべの先端で、少し離れてみるとクチャクチャっと糸が絡まったようにも見えます。 

 

 

 

 

ヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリ、サワヒヨドリ、秋の七草のひとつのフジバカマは同じ仲間で、アサギマダラの成虫の吸蜜植物です。 2000㎞も海を渡るものもいるというアサギマダラは秋が深くなるにつれて南下し始めます。

カナビキソウ
カナビキソウ
シュウブンソウ
シュウブンソウ

 

 

 

イズコゴメグサ: 今年も健在。

フォッサマグナ要素の植物で絶滅危惧I類です。

 

 

 

 

 

 

 

アシタカマツムシソウ: こちらもフォッサマグナ要素の植物です。


 

サクラガンピとコガンピ: サクラガンピは薄黄色、コガンピは赤味かかった白い花。 

サクラガンピは枝分かれしますが、コガンピはほとんどしません。

サクラガンピも伊豆、箱根、富士近辺のフォッサマグナ要素の植物で準絶滅危惧種です。


 

 

 

オミナエシ: 秋の七草のひとつですが、めっきり見かけることがなくなった花の一つです。

 

タチフウロ
タチフウロ
タムラソウ
タムラソウ

 

ワレモコウ:よくよく見ると面白い造形です。花弁はなく、一つ一つは4枚の萼片からなり、たくさん集まって丸っこい形になっています。 

 

決して華やかな花ではないのに、切り花としてもとても愛されている花です。 バラ科のワレモコウは染めてみると赤味の色が染まり面白い染材です。

 

ヤマハッカ
ヤマハッカ
アキカラマツ
アキカラマツ

ネジバナ
ネジバナ

 

 

この草原は本当に豊かです。 

 

ただ歩くだけならば1時間もかからないと思いますが、今日は2時間半かかってしまいました。 

 

見始めるときりがなく一日中でもいたいくらいです。 

 

 

フユノハナワラビ
フユノハナワラビ
モミジガサ
モミジガサ

ツリフネソウ
ツリフネソウ

 

確かに多種多様な草花が見られるのですが、絶滅危惧種や準絶滅危惧種、この地域のみに生育するフォッサマグナ要素の植物も多く、いつまでこの自然が守られていくだろうかと思います。 

ここは防火帯を兼ねているので定期的に草刈りが行われることで草原を好む植物が生育しています。

人間との共存で維持されていく自然もあるのです。

いぐちの仲間
いぐちの仲間
ウバユリ 実
ウバユリ 実

 

 

一方、人間の手が入らなくなったことが大きな要因となっているナラ枯れはこのあたりでもひどい状況です。 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真のコナラは木肌に点々と木屑の盛り上がった穴が見えます。 

たくさんのカシノナガキクイムシが入った跡です。 根元には木屑が散らばっています。 

 

生き残るコナラもあるようですが、山を見渡すと枯れたコナラばかりです。

5~6年で収束するともいわれていますが、全滅してしまわないか心配です。