日本列島は、4つの大きなプレートがせめぎ合うちょうど上にあります。災害列島たる所以でもあります。
4つのうち、唯一フィリピン海プレート上にあるのが伊豆半島です。 およそ2000万年前の太平洋上の小さな火山島が、フィリピン海プレートに乗って北上し、本州に衝突して出来上がった伊豆半島。
なんだかまるで「ひょっこりひょうたん島」のようで、想像を搔き立ててくれます。 そして今なお、北へと本州を押し上げつつあります。
そんな伊豆に暮すようになってから、ずいぶんと月日が経ちました。 成り立ちの面白さ、独特の地層や伊豆半島固有の植物たち。
歩いて、歩いて、伊豆の自慢をしたいと思います。
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7月18日(土)植物観察
昨年の大晦日に熱海市内の山中のワナにかかったツキノワグマ。一安心かと思いきや、ごく最近、岩戸山で目撃情報がありました。箱根から山伝いに熱海を通って、伊豆半島に入って来るのではないでしょうか。
岩戸山周辺は、気軽にヒョイと行ける私のホーム。さすがに一人歩きは怖いので、花友と一緒に出掛けました。クマ鈴はもちろん、見通しの悪い所ではホイッスルを吹き鳴らします。クマは分かってくれているでしょうかねぇ。
今日は、コクランを見に来ました。冬に歩いた折に、たくさんの株を見つけたところ。花もたくさん咲いていました。名前どおり、黒紫色の小さな花、なかなかシックです。
近ごろではどんどん数を減らして、なかなか出会えなくなりました。特に地生ランはどうしても踏みつけてしまうし、盗掘しやすいので、数を減らしてしまいます。珍しいランではないとは言え、地域によっては絶滅したところもあります。
近くにはオオバノトンボソウ。久しぶりに出会いました。薄暗い林床にはクサアジサイ。
草原に出てきました。ムッとする草いきれ、夏の匂いです。
ゴマ粒ほどの小さな花を付けるアリノトウグサ、ススキの足元にはたくさんのオオナンバンギセルがニョキニョキ出ています。
花は地味ですが、コガンピの株立ちの姿は端正で、ブーケのように美しい。。
7月16日(木)八丁池
山の上も予報どおりの猛暑です。湿気がすごいので、足は重くヘトヘトです。何度も何度もお水を飲んでは小休止。八丁池近くの森で、咲き残るアマギツツジにひと時ホッとしました。
この季節に悩まされるのは、アブとたかって来る小さな虫の猛襲です。ネットを被らないとおちおち歩いてもいられません。ヒーヒーたどり着いた八丁池は、満々と水を湛えて、濃くなった緑の影を落として静かで美しい。
7月7日(火)~7月9日(木)花巡り再び
ごくごく一部ながら、初めてという花友を案内して村山古道へ。主眼は花ですが、若葉の天蓋に苔の絨毯がそれはそれは美しい古道です。
思いがけずキヨスミウツボに遭遇。久しぶりで大喜びしました。ところが、しばらくの間、林床はキヨスミウツボだらけ。まだ蕾の株が多いので再訪することにしました。

2日後、コハクランの自生地へ。新たな株と新たな開花株を見つけました。
絶滅危惧種の希少なこのランを見に来る人は、口コミで広がって、かなりの人数にのぼり、毎年ここで再会する人ばかりです。皆、花が好きで大切にしたいという思いを持っていますが、結局のところ、数少ない自生地を踏み荒らしているのは事実です。特に希少なランは、盗掘者も後を絶ちませんが、よく考えてみれば花にとっては私たちも盗掘者と何ら変わりはないのではないかと感じました。
昨年初めて見ることができ、今年もまた開花を見ることができ、私はもう満足、これでおしまいにしようと思います。
明日、富士山は開山します。マイカー規制となり、ここまで来られるのは今日が最終日。マイカー規制のおかげで、コハクランも来年の英気を養えますように。
6月29日(月)~7月1日(水)花巡り
この時期、次々に咲いてくる花を見に、恨めしい梅雨空とにらめっこしつつ、合間を縫って出かけています。
予報は曇りでしたが、やっぱり降ってきました。花友と2人、止まない雨に迷い迷いしながら目的地まで登ってきました。幸運なことに観察中とお昼ご飯の時だけ、雨が上がって薄日が差しました。やれやれ。

6月23日(火)二ツ塚
今年も会いに来ました。昨年に比べて、株の数も花の数も少ないようですが、花の状態は開花したばかりの新鮮な状態。
一枚だけの葉に一つだけの花を付けて、森の中にひっそりながら、スクッと頭を伸ばして佇む姿は美しい。
子天狗塚から二ツ塚に下ってきましたが、ほんの一瞬、上塚の姿が現れたのみで視界はゼロです。肌寒いほどの空気です。こんな雲の中にいると、いったいどこにいるのかわからなくなる感じです。
梅雨明けを待つ開山を間近に控えた富士山の麓では、いろいろ騒がしいようです。
山は覚悟と準備を持って登るのが基本だと思いますが、夏には観光地化して、渋谷並みの混雑の山頂付近の様子を見るにつけ、それは違うだろう、と思います。
試行錯誤しながら、いろんな意見や考えを採り入れて、少しずつでも誇れる富士山になってほしいと願うばかりです。

6月17日(水)天城山
久々に天城山。
梅雨時のせいか、ちょうどアマギシャクナゲの季節が終わった後のせいか、万三郎岳手前で初めて人に出会って、お互いクマに出会うより珍しいと笑い合いました。
山頂に近づくにつれて、もやは濃くなって視界はほぼゼロながら、静かな山歩きを楽しむことができました。
北斜面の涸沢の苔むした岩は瑞々しく、樹々の緑も本当に美しい季節です。

沢筋には可憐なハコネシラカネソウ、大きな朽木には立派なヤシャビシャクが付いています。
このヤシャビシャクは数年前から確認していますが、この立枯れのブナがいつまで立っていられるでしょうか。ヤシャビシャクの運命はこの朽木とともにあります。
雲の切れ間から一瞬ちらりと富士山がのぞきました。ずいぶんと雪が少なくなりました。山開きも間もなくです。
6月10日(水)大室山
梅雨の晴れ間、富士山の裾野をぐるっと回った反対側、わが家からは2時間以上はどうしてもかかります。それでも新緑の美しい季節に一度は訪れたくて、やって来ました。

青木ヶ原の鬱蒼とした樹海から大室山の裾野に出ます。
864年の貞観噴火で流れ出た溶岩流は、大室山を埋め残したので、この溶岩流の水際の右と左では植生はまったく違います。大室山にはブナやミズナラなどの広葉樹林が残り、新緑の美しい季節です。
大きな切り株。「枯れてもなお」堂々とした姿です。ブナでしょうか、ミズナラでしょうか。

1468m、天城の万三郎岳より少し高い山頂で展望はありません。
南峰まで来ると真正面に富士山がドカンと現れるのですが、今日はあいにく雲の中です。大室山も富士山の一部、足下にはいくつものポコポコ盛り上がる側火山が見えています。

森の中、この時期によく出会うキノコです。丸くフェアリーリングを描いて姿を現します。
なかなか名前を思い出せませんでした。1年たつとすっかり忘れてしまいます。きっと来年も忘れているんだろうなぁ。そうそう、名前はとても縁起の良い名前でした。
6月5日(金)八丁池
本谷川沿いを登って涸沢を渡るとスギやヒノキの植林地を抜けて、ブナやヒメシャラの森に入ります。美しい森です。
珍しく5月に発生してやってきた台風、幸いわが家はあまり降りませんでしたが、伊豆の南の方では線状降水帯が発生して、土砂崩れも起きました。ほんのわずかの違いで大雨が降り続くのは、珍しくなくなりました。
台風一過、晴天を期待したのですが、ずいぶんと肌寒く、八丁池まで登って来るとすっかりモノトーンの世界でした。アオバトやカッコウの鳴き声がもやの中よく響きます。もうすぐ梅雨入りしそうです。

5月29日(金)花案内
山友の案内でやって来ました。すでに花は終わっていますが、花柄は残っています。扇子のヒダのような大きな葉を2枚、独特な姿のクマガイソウです。
日本中、絶滅危惧Ⅰ類及びⅡ類指定、自然環境の中で自生種を見ることはまずありません。大切に守りたい花の一つです。
今日は真夏のように暑く、晴れ渡った晴天です。山頂付近の樹間から天城の青い山々が見えます。
林床の小さな花も美しいけれど、純白の花をただ一輪、凛として気高く、楚々としていながら豪華なヤマシャクヤクは女王様のようです。

ルイヨウボタンもちょうど花を付けています。目立たぬ花ながら、ヤマシャクヤクとはまた一味違う美しさがあります。
森の中で、花友がヒメムヨウランを見つけました。落ち葉に溶け込んでよくよく見ないとほとんど分かりません。近くに目を凝らすと、何株も花を咲かせていました。
帰路場所を変えて、花友が見つけたフガクヤシャビシャクを案内してもらいました。どこに着生しているのかさっぱりわからないほど、見つけにくい。よく探し出しました。
天城のヤシャビシャクとの違いをじっくり観察。花三昧の一日を終わります。

5月14日(木)猿山
そろそろ咲く頃だね・・・と出かけてきました。山友によれば下田の黒船祭の頃がちょうど良い時期だとか。
アマギシャクナゲと言えば、花の山として知られる天城山が有名ですが、私は三蓋山から小僧山、猿山に伸びる稜線に人知れず咲くアマギシャクナゲが一番だと感じます。

小僧山、猿山への登山道はなく、細かな支尾根がたくさんあって迷いやすい所です。一昨年の暮れに猿山で行方不明になった人は未だ発見されずにいます。
初めて連れて行ってもらった時には、山名表示もこんなに賑やかではありませんでしたし、今では至る所に付いているピンクテープも皆無でした。
地図読みのコースとしては、とても面白く勉強になるルートです。結構な人が訪れるようになったようですが、やはり迷いやすい所なので、注意が必要です。
山頂近くの大ヤマグルマ。ダイオウイカのように巨体を横たえて変わらぬ姿に再会です。
途中、樹々の間から河津の街並みや先日歩いた天嶺山がはるかに見えます。 さらにはるか、海には利島が浮かんでいます。
