日本列島は、4つの大きなプレートがせめぎ合うちょうど上にあります。災害列島たる所以でもあります。
4つのうち、唯一フィリピン海プレート上にあるのが伊豆半島です。 およそ2000万年前の太平洋上の小さな火山島が、フィリピン海プレートに乗って北上し、本州に衝突して出来上がった伊豆半島。
なんだかまるで「ひょっこりひょうたん島」のようで、想像を搔き立ててくれます。 そして今なお、北へと本州を押し上げつつあります。
そんな伊豆に暮すようになってから、ずいぶんと月日が経ちました。 成り立ちの面白さ、独特の地層や伊豆半島固有の植物たち。
歩いて、歩いて、伊豆の自慢をしたいと思います。
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植物は類似した種が多く、
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5月27日(火)再々訪
連日のヤマシャクヤク散策です。
今日はキノコ師匠と一緒なので、もちろんキノコも見逃がしません。
こんな時期に見たのは初めて。ピンボケですが、まごうことなきナラタケです。
先回も見かけたキノコ。オオワライタケだそうです。神経毒を有する毒キノコで、死に至るほどではないらしいのですが、近年3系統から5系統に分類され直したとか。
オオワライタケに限らず、キノコの世界は未解明、未分類、不明が大部分です。これまでオオワライタケとされてきたものの中に、死に至るものがあっても不思議ではないということです。
さらに、実際に見たキノコの色と写真では相当違いがあることは、キノコの同定の上では、注意が必要だとつくづく思います。ネットの検索や図鑑だけで見た目から判断すると、大きな事故につながると実感しています。
キノコ探索は本当に楽しいのですが、命を懸けるほどのものではありません。自戒の意味も込めて、気を付けたいと思います。
ヤマシャクヤクは、一番の美しい時期を迎えていました。スックと立ち上がって、大輪の純白の花一輪。豪華でありながら、凛として気品あり。美しい花です。
曇り空でしたが、今日は富士山もよく見えて、下塚に登ってみました。
下塚を登りながら振り返ると、上塚、宝永、雪を残した山頂が三段重ねでドカーンと大迫力です。 長く尾を引く裾をブルがゆっくり登って行くのも見えて、富士山の開山も近づいてきました。
5月26日(月)再訪
先日のヤマシャクヤクは、開花までにはあと少しという状態でした。
この数日は雨模様で少し肌寒い日が続きましたが、今日来てみれば、すでに散ってしまった花もありました。ヤマシャクヤクの花期は短いのです。
今日は下塚の方に登ってみました。またしても視界0です。それでも、こんな景色もまた風情あり。
下ってきたらようやく上塚の姿が見えてきました。
遠目で見ると、立ち姿はヤマシャクヤクにもトチバニンジンにも見えます。
先日見かけた時は判りませんでしたが、帰宅後調べてルイヨウボタンと判明。図鑑で見てはいましたが、初見です。
思っていたより小さな葉色と同じ色の花で、目立ちませんが、よくよく見れば美しい造形です。類葉ボタンと書くそうです。
5月21日(金)梅雨近し
未明からの雨が残ってはいたものの、歩き始めの霧雨も何とかおさまりました。
靄に浮かぶ森は幻想的です。
そろそろ咲き始めるヤマシャクヤクを探し探し、森の中をジグザク、ゆっくり二ツ塚まで登ってきました。
姿は全く見えませんでしたが、上塚に登ってきました。視界0、残念、残念。
下りてきたら、ようやく少し姿が見えてきました。カラマツのちょうど芽吹き始めた頃、柔らかな緑が何とも美しい季節です。
ヤマシャクヤクは、真っ白で丸い蕾がパンパンにふくらんで、あと少し、一両日中には咲く様子です。
花期の短いヤマシャクヤクは、咲いても雨にやられてしまうことも多く、ピンポイントでちょうど良い日にめぐり合えるのはなかなか難しい花。
だからこそ、また来たくなるというもの。
家に戻るまで、名前が思い出せませんでした。花はもう少し先です。
喘息薬種と書くそうです。喘息の薬として用いられてきたそうで、そういわれると名前も覚えやすくなります。
この植物が喘息に効くことがどうして昔の人は分かったのか…
この標高では、トウゴクミツバツツジがまだまだ花盛りです。
5月21日(水)春から夏へ
富士山の麓にやって来ました。見る度に雪が少なくなって、夏近しです。来る度、一応は目当ての花はありますが、いつ来ても、その時その折の花に出会えます。
写真が本当に難しい花です。小さな花は微風にも揺れて、ボケてしまいますが、ヤマトグサは小さい上、雄花から下がる花糸と呼ばれる雄しべが揺れるわ、揺れるわ。風媒花ですからね。
雄花は、クルリと巻き上がって花糸が現れるようです。雌雄同株、雌花が一体どれだかさっぱりわかりませんでした。宿題持ち越しです。
標高1300m程、思いがけずヤマシャクヤクが咲いていいました。
毎年見に出かけますが、ちょうど良い花期を見定めるのはとても難しく、昨年も雨続きで見逃してしまいました。
いつも見に行くところは、もう少し標高が上がるので、あと数日でしょうか。
少し盛りの時期は過ぎてしまいましたが、今年も出会えました。広葉樹林の根に寄生しています。
見かけるのはほとんどツルシロカネソウですが、これはどうでしょう。
小さな黄色いのが花弁ですが、ツルシロカネソウのように尖っていませんでした。葉の様子からもハコネシラカネソウのように見えましたが、同定できませんでした。
この時期、白い花が多い気がします。
時間があったので、久しぶりに御胎内に立ち寄ってみました。
新緑が本当に美しい。とりわけカエデの優しい緑は本当に美しい。
オオイタヤメイゲツとハウチワカエデの見分けもなかなか難しい。
葉の切れ込みが深めで、葉の基部が深い心臓型なのがオオイタヤメイゲツと覚えていますが、個体差もありいつも悩むところ。
もっと細かい点をよく見なくては。
5月15日(木)天城の女王様たち
アマギシャクナゲやトウゴクミツバツツジの見頃の話が耳に入るようになり、どうしても行きたかったところまで行ってみることにしました。
滑沢渓谷の奥から三蓋山に直登する尾根をよじ登っていきます。
この尾根には、アマギシャクナゲが多く、白花も目立ちます。ちょうど一番美しい時!
ミツバツツジは落花が目立つようになってはいたものの、見頃です。
花とブナの新緑に釣られて、三蓋山までの急登もいつの間にか登ってしまいました。
三蓋山からつげ峠へ。
つげ峠は、ほとんどのブナが立ち枯れて、はげ山になったところに、鹿の食べないアセビだけが繁茂するようになっています。
天城だけでなく、至る所、鹿の食害の影響は大きく、いずれそう遠い先ではなく、天城からブナは姿を消すのではないかと心配です。
しかしながら、開けたつげ峠からの景色は抜群。残念ながら富士山は雲がくれでしたが、愛鷹や沼津アルプス、先日歩いた猿山から丹野平の稜線、さらに西伊豆の山々も見えています。
ビッシリ繁茂するアセビに阻まれながらも、つげ峠から長沢頭、手引頭に伸びる尾根に咲くトウゴクミツバツツジやアマギシャクナゲの満開の天蓋の下を、歓声をあげつつ歩きました。
こちらは天城一の手引頭のたこブナ。
天城のブナの樹形は独特で、背丈ほどの低い位置から大きく四方八方に枝を伸ばし、たこのようなずんぐりしたブナが多いのです。
手引頭から仁科峠に向かい、少し歩道を外れたところ。やはり天城一と言われるトウゴクミツバツツジも、見事な満開を迎えていました。
天城峠から達磨山へと続く長い伊豆山稜線歩道の、ちょうど中間ほどの手引頭は、どちらからアクセスするにも時間がかかるので、なかなか訪れることが難しいこともあってか、多くの大木が残っているようです。
鹿の食害を嘆きはしますが、自然に一番ダメージを与えているのは本当は人間なのでしょう。
つげ峠で見えなかった富士山も帰り際きれいに見えて、天城の主やら女王様たちに別れを告げて戻りました。来年、また会いたいですね。
天城の大ブナには苔類もビッシリ付いていて、その上にマツノハマンネングサやギボウシがたくさん着生しています。
滑沢の奥のワサビ田の脇に咲いていました。どうやらクリンソウのようです。実物は初見です。
サクラソウの仲間なので、もう少し小ぶりの姿を想像していましたが、背丈は40㎝ほどあったでしょうか。花色は濃いピンク、薄桃色、白。
今日は残念ながらカメラを忘れて、スマホで撮ったので、かなりピンボケが残念です。
5月13日(火)天城・新緑
4か月ぶりの天城。いつ来ても美しい森ですが、新緑の天城の森も一段と美しい。
八丁池は満々と水を湛えて、水面下ではイモリが動き始めています。早くも初夏の気配です。
水辺のトウゴクミツバツツジはようやく咲き始め、あと数日で満開を迎えて、水辺がさらに美しくなりそうです。
曇りがちの空模様でしたが、空気は冷たくて澄んでいる感じでしたので、白砂天井を回って下ることにしました。富士山の素晴らしいスポットがあるのです。
富士山はどこからどう見ても素晴らしいのですが、ここから見る富士山の高度感は別格。樹々の間にほんの小さく見えるだけなのに、6000mくらいの山に見えると言ったのは同行の友人。まさにそのとおりなのです。不思議ですね。
久しぶりに定点観察。花がまだ残っていましたが、早くも根元がふくらみ始めて、実になる少し手前です。
ブナの大木の高いところに着生することが多くて、近くで見ることはなかなか難しい花ですが、この一株は私の背より少し高いところ、一番近くで見ることができます。今年も元気です。