日々のこと 大野純子

幼い頃、私は爪を噛む癖があったそうです。 困った母は手当たり次第に物を持たせたそうです。

 

そのうちに物を壊したり、組み立てたり、作ったり、切ったり、張ったり、縫ったり、編んだり・・・・料理や保存食作り、そしてさらにそののち、織りにつながる原点はそこにあったようです。

 

何だかいつも手を動かしていないと落ち着かない、手仕事大好き人間になりました。

 

季節と共に過ぎる日々のことを綴ります。                 2021年までのことは→こちら


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11月19日(土)秋の恵み

 

晴天続きの日を選んで、柿を吊るしました。今年は少な目。齢とともに少しずつ規模も縮小です。

 

とはいえ、好物なので、できる限りは作りたいと思っています。

 

風に揺れる柿の暖かな色。幸福眼福です。

地物の大根もたくさん出始めて、今期初の大根の甘酢漬けも仕込んで、いよいよ冬がやって来ます。

 

 

秋の陽射しは、部屋の奥まで射しこんできてポカポカと暖かく、静かで穏やかですが、物淋しくもあります。

 

 

あちこちから果物もたくさん。みかんはわが家の産。ものすごく酸っぱくて、外皮も実の袋も硬くてそのまま食べるには不向きでしたが、何がどうなったのか。今年のみかんは人が変わったように美味しくなりました。

 

程よく酸味も残り、甘くて、袋も柔らかくて、とても美味しくなりました。不思議、不思議。

 

ある境を越える時、ある峠を越える時、というのはどんな事にでも必ずあるように感じています。

 

わが家のみかんもひと山越えて、一皮剝けたのでしょうか。


 

10月9日(月)急転直下

 

先週までは半袖だったのに、一気に11月並みに冷え込んで冷たい雨もここ2日。

 

この夏の暑さで、さすがに作る気のしなかったスモークベーコン。冷たい雨の降るこんな日は、火の番をしながら半日ゆっくりスモークするにはぴったりです。

 

発酵食品はあまりに暑いとうまくできませんが、快適な温度に下がってきました。

 

数日前に仕込んだザワークラウトもちょうど食べ頃。ついでに粒マスタードも作ったので、今晩のメニューが揃いました。

天然酵母パンも猛暑は苦手。こちらも美味しそうに焼けまして、ゆったり料理を作るこんな日は、かけがえがありません。

 

空気も冷えて雨もたっぷり降り、来週のキノコ採りにも期待が膨らんできました。

 

ようやくの秋です。

 


 

8月11日(金)台風接近

 

のろのろ台風がようやく過ぎ去ったところに、今度は海をまっすぐこちらに向かって来る台風が発生して、暖かい海で力を蓄えながら、来週はどうにも直撃態勢が避けられそうにありません。

 

カラカラの猛暑続きの後は雨続きで、来週のキノコはいいかも・・・と師匠と段取り検討中でしたが、どうなりますか。

今年の梅干し・去年の梅干し
今年の梅干し・去年の梅干し

今年の梅干しが出来上がりました。お日さまと赤紫蘇にきれいに染まって今年もよくできました。

 

漬けあがったばかりの梅干しは新鮮で、それはそれは美味しいものですが、古漬けの梅も塩が丸くなって、それはそれでまた美味しいです。

友人から毎年恒例、ブルーベリーもたくさん届き、ジャムもたくさん出来上がりました。

 

美味しい恵み、感謝です。

空はまだ、やって来る台風の気配は見えませんが、少し風が出てきましたか。何事もなく過ぎ去ってほしいと願うばかりです。


 

7月21日(金)梅雨明け

毎年悩ましい梅雨明け宣言。

 

昨日、東海地方の梅雨明け宣言がありましたが、熱海はどう見ても関東に近い。これが一山越えて三島になれば、「まあ、そうだね」という気持ちにもなろうというもの。

 

天気予報では、しばらく晴れマークが続いているので、梅干しの土用干しをすることにしました。

 

今年の仕込み量は8㎏。紫蘇、お塩等々含めると10㎏。重石をかけている時はさらに重く、さすがに持ち上げるのも大変です。

 

さてさて、いつまでできるでしょうか。いつまでもとは思ってはいますが、少しずつ身の丈に合わせていきますか。

 


 

6月19日(月)プラム・プラム&プラム

 

「びっくりするから、見に来て!」と友人が言うので、行ってみれば・・・・たわわに実ったプラムは、枝という枝を埋め尽くして、木肌が見えないほど。 あまりの鈴なりの重さに耐えかねてか、大枝が2本裂けるように折れているような有様。

 

数年前に大きく切り戻してから、しばらく実がならなかったので、そのせいもあってか、あきれるほどでした。

 

全部収穫すれば、恐らく軽く100㎏は越えそうでしたが、食べられる分だけ収穫してきました。

 

プラムジャム
プラムジャム
プラムコンポート
プラムコンポート

プラムコンポート
プラムコンポート

瑞々しいプラムは、何と言っても生のままが一番ですが、とても食べきれません。

 

3日間、ひたすらジャムを作ること8回。さすがに疲れたし、飽きたし、夢に出てきそうだし。それでも何とか無駄なく作り終えました。

 

プラムジャムは格別。深紅のルビーのように輝くばかりの色は、まさに眼福です。

 

コンポートも作ってみました。仕上げにラム酒を加えて、これもなかなか。

 

夏の恵み、ごちそうさま、ありがとう。


 

5月31日(水)梅雨入り

 

友人が梅とビワを採って持ってきてくれました。一昨日、5月29日に静岡県は梅雨入りしました。少し早いようですが、もうそんな季節になりました。

 


2日追熟
2日追熟

友人は加工品が欲しい人、私は材料が欲しい人。お互いWin-Win、うまくできています。

 

梅はもう少し色づくまで2,3日置いて梅干し用に。

詳しくは→「梅干し」

傷がついたり、熟しすぎたものは梅味噌に。

 

梅仕事の始まりです。

詳しくは→「梅味噌」

新生姜も今が旬。ゴロゴロ大きめに切って、甘酢漬けにします。ほんのり桜色に色づいて眼も口も楽しませてくれます。


 

5月19日(木)ドクダミ

 

ドクダミの白い花が美しい季節です。 

 

十薬とも言われるドクダミ。蕾を付ける頃に最も薬効が高まると言われています。

 

今年も摘み取って、よく洗い、ビンにギュウギュウ詰め込んでホワイトリカーを並々と。

 

このまま3年寝かせます。

化粧水やクリームも身近なもので手作りしています。

 

何年か前に、長年使い続けてきた蜜蠟のクリームで、急に発疹が出ました。皮膚科の漢方医の先生によれば、スギ花粉症と同じで、蓄積されて行って、ある日発症するということはありうるとのこと。

 

齢とともに体内の免疫系統も変化もしているでしょうし・・・・かなり残念でした。

 

一方ドクダミ化粧水は、ほぼ生まれてこの方使っていますが大丈夫です。同じ漢方医の先生によれば、手作りの化粧水は3年は漬け込んだものがいいよとのこと。以来、そのアドバイスを守っています。

 

右側の琥珀色のビンは2019年仕込みのもの。今年から使っています。

 


5月5日(金)夏近し

 

昨日は各地で夏日の報告がされていました。爽やかな五月晴れが続いています。わが家では、日陰や室内は少し肌寒いくらいです。

 

ななちゃんはお気に入りの出窓の大皿の中で、毛づくろいにいそしんでいます。季節をよく知っていて、季節ごと、日々のお天気、一日の時間でもお気に入りの場所を変えます。

見ているだけで幸せ。

 

よい季節になって来たので、布ぞうりを少し作りました。

 

仲良しの友人の贔屓なので、今日のお土産に持って行こう。


 

4月21日(金)初夏の味

甘夏が美味しくなる季節です。

 

毎年、友人宅の甘夏を収穫して、たらふく食べています。今年は友人の夫君もお手伝いをしてくれて、ざっと見おおよそ200㎏くらいの収穫量だったでしょうか。

 

 

 

水分たっぷりの甘夏は初夏の味。それでも酸っぱいので食べない、とのたまう夫君のために、コンポートを作ってみました。

 

私はそのまま食べた方が断然美味しいと思うけど‥‥


 

4月1日(土)木の芽どき

今年は春が早く、山椒の新芽も一気に芽吹き始め、早くも花が付いてきました。

 

のんびりしていると固くなってしまうので大急ぎで収穫。

大きなザルに一杯で出来上りは小ビン2つ。労力の割には報われない感あり。

 

それでもこれだけは欠かせません。ほんのお箸に一つまみでご飯が一杯食べられる春濃縮の美味しさ。今年もできて上々。

 

 

 

 

 

桜も花が散り始め、若葉がグングン大きくなってきました。

 

例年ですと、5月くらいに作る桜葉の塩漬けを早めに作ることにしました。

 

形はどうしても小ぶりになりますが、ヤワヤワのの葉っぱは筋まで柔らかいので、早くも来春の桜餅が楽しみになりました。

 

塩水を使ってもいいのですが、私は塩漬けする時には白梅酢を使います。

 

白梅酢がとれるのは、梅干しを漬ける時ですから6月です。桜葉の時期とは当然合いませんので、去年取り置いた白梅酢を使います。

 

漬けた桜葉が出来上がるのは翌年。都合2年がかりということになります。結構気の長い話です。

 

保存食や発酵食品を作っていると、自然の営みに人は合わせて暮していたのだなあと折あるごとに思います。その普通のことが失われてしまって、どこに行き着くのでしょうか。豊かで幸せだとは少なくとも私には思えないでいます。

 

少しずつこっそりながら抵抗しようと思っています。