わが家の筆頭「同居人」は猫のななです。
いっしょに暮し始めてから、私は一度も泊りがけの旅行に出かけたことはありません。
「猫がいるとたいへんよね・・・」と言われます。
出かけようと思えばいくらでも方法はあります。
出かけたくないのです。
一日一回顔を見ないなんて耐えがたい。
そんな私とは裏腹に、本猫はさほど愛想を振りまいてくれるわけではなく、それがどうしたと言った顔をしていますが。
その他に、うちにはわたしの保存食、発酵食品に協力してくれる同居人たちが大勢住んでいます。
例えば ぬか床に住む乳酸菌たち。お味噌やパン酵母・・・
美味しい一品を作ってくれる頼もしい同居人たちは、日々、密やかに、確実に、力強く息づいています。
こちらもお世話をかかせません。元気がないと心配ですし、元気がいいと嬉しいものです。
彼らの活躍で出来上がる美味しい食べ物は元気の源です。
そんな暮らしを愛おしみながらの日々をご紹介します。
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5月9日(月)夏支度
朝晩はまだまだ冷えますが、お天気の良い日は本当に気持ちの良い季節になりました。昼間に20度を超えてきたので、冬眠中のぬか床を起こしました。
新しく昆布、山椒の葉、鷹の爪、ショウガ、和辛子などを混ぜ込んで、捨て漬けのキャベツを入れて、しばらく様子を見ながらリハビリです。
夏に向けて美味しくなるザワークラウトも仕込みました。
キャベツ2玉、2㎏。ちょっと多かったみたい。塩揉みしたキャベツを保存容器にギュウギュウ押し込んでいきます。
発酵してくると勢いよく吹きこぼれるので、ビンの8割ほどにおさまるのがちょうどいいのですが、エイっと詰め込んでしまいました。
ぬか漬けもザワークラウトも、爽やかな酸味がこれからの季節にぴったりです。
4月12日(水)季節の贈り物
毎年ゴールデンウイーク前に咲き始める八重桜が、早くも満開を迎えています。
桜の花で酵母を起こします。これを元にして桜の花の天然酵母パンを焼くのが恒例。
決して強い酵母ではありませんが、一年に一度、この季節だけの贈り物です。楽しみです。
詳しくは→「天然酵母パン」
ついでに今年塩漬けした桜葉で桜餅を作りました。
今年の柔らかな葉で作ったばかり。どんな具合でしょう?まだ青さが残っています。本当は1年置くのですが、待ちきれず味見です。
詳しくは→「桜葉の塩漬け&桜餅」
2023年2月26日(日)記念日
12年前の今日も、春の陽射しがまぶしくて、風のない穏やかな日でした。
ケージに入れられて車に乗せられ、知らない家にやって来たなな。最初の3日間は洗濯機の後ろから出てこなかった。まるで昨日のことのようです。
記念日なのでたくさん写真を撮ってあげましたが、作っている晩ご飯の鮭スープの匂いに早くも飯待ち顔で見上げてきます。
いつまでも、いつまでも、元気でいてほしいと願っています。
2023年2月4日(土)立春
寒さの一番厳しい時、仕込む白菜漬け。
水分が多いので半日ほど陽に干してから下漬けをし、本漬けにします。
本漬けの時に私は米ぬかを入れます。ぬかを入れるとビタミン、カリウムなどは数倍、その他のビタミンも豊富でしかも圧倒的に美味しくなります。日にちがたつつとともに乳酸発酵もしますのでさらに美味しくなります。
甘麹も仕込みました。
ご飯を入れて作る方法、酒粕で作る方法がありますが、今回は乾燥麹と水だけで作ります。シンプルなこの方法がいちばん麹の美味しさと力を感じます。
生麹を使った方がなお一層美味しいのですが、入手しやすい乾燥麹で。
55℃~60℃のお湯に麹を入れて保温容器に入れます。
一定温度を保てるものならば自宅にあるものを利用できます。ヨーグルトメーカーや炊飯器、ポットやスープジャーなどでも大丈夫です。
私はシャトルシェフを使っています。
時々温度を見て55℃~60℃を下っているようならば加温しつつ5~6時間。8時間くらい置くと、いっそう甘みが増しこっくりとした味になります。
放置するだけですからいたって簡単。ただし70℃になると麹は死滅しますので温度を上げ過ぎないようにするだけが注意点でしょうか。
そのまま食べても、少し薄めて甘酒にしても。お料理の甘味料にも使えます。豆乳と混ぜて作るゼリーもよく作ります。
今日は立春。庭のマンサクがほころび始めました。一枝拝借して部屋の中にも春を。
2022年7月7日(木) 同い年
なな12歳。
人間の年齢に換算すると私と同い年になりました。
しっかりオバサンの年齢ですが、
病気もせず、変わらず若々しく愛らしいと親バカは思っています。
哺乳類はおおむね一生の間の心拍数が決まっていると聞いたことがあります。
心拍数の少ない動物ほど長生きで、多いほど寿命が短いのだそうです。
どうして時間が分かるのか、私が起きる5分ほど前にやって来るようです。
クンクンしながら私の生存確認をしているかのような。
かすかに息がかかるので目を開けると目の前3㎝のどアップのななちゃんと目が合います。
もぐりこんできて腕にコトンと頭をのせて
しばし朝寝に付き合ってくれるこの小さな生き物の私より数倍も早い鼓動を聞きながら、
こうして追い付いてきてあっという間に私を引き離して行ってしまうのだろうと
ぼんやりと思う朝の静かなひとときです。
22年5月18日(水) 同居人たち
皐月晴れは一体どうした! とでも言いたくなるようなこのところ雨続き。 少し肌寒い日もあるもののやはり過ごしやすい季節です。
わが家の住人達にとっても一番快適な季節になってきました。
今年も桜葉の塩漬けを仕込みました。 よく見れば、なんと美しく端正な鋸歯。 乱れがありません。 見惚れつつ非情にも熱湯にくぐらせてから冷水にとり、大きさを揃えて二つ折りにして塩を振ります。 そこに白梅酢を回し掛け、重しをして2<週間ほどで出来上がり。冷凍保存をすれば1年以上保ちます。
定番桜餅はもちろんですが、塩麹漬けにした鶏むね肉を桜葉で巻いてサラダチキンを作ってみたところ、なかなかの美味しさ。 お魚を包んで酒蒸しもいいですね。桜葉の塩漬けはワンランクアップの貴重な脇役です。桜葉の塩漬けも古漬けになって来るとポツポツと酵母が付いてくることがあります。 発酵食品なのですね。
新キャベツを買ってきました。大きな一玉、1.7kg。
ザワークラウトを仕込みます。
塩揉みしてキャラウエイを混ぜ、空気が入らないようにギュウギュウ押し込んでビンに詰め、葉でフタをして発酵を待ちます。
この時期ですと、明日になればプクプクと乳酸菌が発酵を始めます。
私は乳酸菌が起きてくるまでは空気を遮断する嫌気法でビンをしっかり密閉します。
低温、酸素欠乏状態でも強い乳酸菌がいち早く目覚めれば雑菌の繁殖を防いでくれます。
発酵が活発になると盛んにプクプクと炭酸ガスを発生させますので、うっかりするとビンの蓋を吹き飛ばしてしまいますので、発酵が始まったら、ビンの蓋を緩めて呼吸できるようにします。
生鮭は塩麹漬けに。
明日の朝には食べられるようになっていますし、漬けたものは冷凍保存もききます。
ぬか床にも糠を足して、捨て漬けにキャベツの葉を入れて発酵を促します。
目には見えねど、酵母菌も乳酸菌も私の健康を支えてくれる大切な同居人です。
22年2月26日(土) 記念日
今年の冬は寒い日が続き、昨日は風花が舞う寒い一日でした。
今日は一転、ポカポカやっと春が来たような暖かな日になりました。
今日はななちゃんがわが家にやって来た記念日。11回目になります。
相変わらずです。
ずっと家の中で一人でいて,淋しくないだろうかとか、外を通りかかる野良猫をうらやましいとか思わないだろうかとか、人間はいろいろ思いますが、他のネコと比べて自分は不幸だとか、恵まれているだとか、ネコは比較をしないのですね。
揺らぐことのない絶対を持っているように感じます。 その時その時の刹那を懸命に生きているように感じます。
大島は霞み、穏やかな海には船が浮かび、杉の梢は風にあおられてモワッとばかりに花粉を飛ばしています。
こんな平和が無残に踏みにじられるような出来事が世界のあちらこちらでは起きていて、人間はどうしてさほどに愚かなのかと思います。
ななちゃんを見ているといっそうそんな思いが深くなります。
NEW!
7月7日(水) なな11歳
3日に伊豆山で大規模な土石流が発生し、いまだ多くの人が行方不明になっています。胸のつぶれるような思いとはこのこと。
私には馴染みの深い地域なのでなおさらです。
岩戸山に登る時の起終点、伊豆山神社から本宮を抜けて岩戸山へ。 逆に姫の沢から岩戸山を経て伊豆山に下る。何度も何度も歩いたところです。
山から下り汗を流した走り湯の温泉もどうなったことでしょうか。
今日は小康状態ですが、また雨が降ようです。
これ以上悪化しないようにただただ祈るしかありません。
ななちゃんは11歳の誕生日を迎えました。
人間の齢でいえばちょうど還暦といったところです。
人間の4倍の速さで齢をとるらしいのですが、あと10年くらいはそばにいてほしいと思います。
あっという間に行ってしまいそうな短い生を全うするまで、今回のような災害に遭わせず一緒に暮せることを願う七夕です。
カエルとななちゃんとガラスに映った私の3ショット。
雨の季節、カエルがいても不思議はありませんが、この窓は何と3階。
ヤモリならともかく、よくぞ登ってきたものです。