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7月2日(木) 岩戸山

 

昨日もよく降りました。確かに近年、異常な感じの降り方が多くなりました。 

 

束の間の晴れです。

 

 

 

 

 

 

姫の沢も水が滔々と駆け下っており、いつもとは様子が随分と違ってすでに姫の川です。

山のあちこちから水が湧き出していますが、尾根筋に登ってしまえば大丈夫です。 

 

 

東光寺はまだ靄の中。 樹々の向こう、ポッカリ見える入口がまるで異界の入口のようです。 

 

 

 

岩戸山に着く頃には青空に青い海、初島に伊豆大島、東海岸の岬も見える。

 

 

 

途中、富士山もチラリ。

 

 

 

ツチアケビ:この奇妙な花に出会うことはなかなかありません。 去年も出会ったので幸運です。 

 

蕾が多く花のピークはまだこれからだと思われますが、昨日までの雨で開花した花も傷んだ状態で少し残念です。 

 

 

かつて腐生植物といわれた菌従属栄養植物です。その名の通り、菌に従属して栄養を得ているので光合成をするための葉を持ちません。まるで誰かいたずらに突き刺したかのようにいきなり土からニョッキリと花が出ているのです。 

それにしてもまあまあ、奇妙奇天烈、不気味といえば不気味。 

しかし、一つ一つの花はじっくり見ればまさしくランの美しい造形です。

 

ヤマジサイ: 園芸品種のアジサイは色も大きさも華やかさもとりどりですが、この野生の素朴で薄暗い沢筋に目の覚めるような白い萼のヤマアジサイはシンプルな美しさそのものです。

 

石膏のような少し重みがあって、少し冷たいような白です。

 

 

湯河原側に少し降りて確認してきました。

 

アマギツツジ: 天城付近以外では東光寺の近くに生育しているようです。

かろうじて散り残り1輪。

 

 

 

クサアジサイ: 蕾が上がってきました。あと1週間から10日くらいで開花するでしょうか。

 

 

石仏の道は春にきれいに草刈りがされましたが、もうすっかりススキの原です。

雨上がりのムッとするような夏草の波の中をゆっくり下ります。 

 

 

 

 

 

夏の花たちはまだまだですが、初お目見えにも出会いました。

ウツボグサ
ウツボグサ
コガンピ
コガンピ
イズコゴメグサ
イズコゴメグサ
オオバギボウシ
オオバギボウシ

 

コキンバイザサ: 初お目見え。花弁があって萼があるのを典型的な花と普通は思っていますが、花弁と萼の見分けがつかない花もあります。

例えば、ユリは内側の3枚が花弁、外側の3枚が萼です。花弁と萼の見分けはつきません。 

 

 

 

 

コキンバイザサも内側の3枚が花弁で外側3枚が萼です。 

よく見ると外側3枚の萼の先端に毛が生えていますね。 

カラカルという野生のネコがいますが、そのネコの耳のようです。

 

静岡県ではレッドデータの中の要注目種になっています。 

草むらの中にへばりつくように生えており、花は極々小さくほとんど見過ごしてしまいますし、うっかり踏んづけてしまいます。

このような草原が少なくなってしまったことも危機の原因でしょう。

 

明日からまた雨模様のようです。山から下りてお風呂につかり、ほ~~っと一息、夕暮れ時にヒグラシの声。今夏の初音です。

 

東光寺
東光寺

ウラジロモミの林
ウラジロモミの林

 

6月24日(水)

梅雨の合間

 

飽きもせず再びまたやって来ました。 

 

今日しかない!という梅雨の晴れ間にピカピカの富士山と宝永火口。 このところなかなか運がいい。 

 

 

 

 

それでも富士山の姿が見えるのはたいてい朝のうちだけで、時間とともにどんどん雲がわいて富士山の周りに集まって姿を隠してしまいます。

 

今日は須山登山道から御殿庭、三辻、四辻を経て二ツ塚へとぐるり回ってみることにしました。

 

水ヶ塚より 富士山、宝永火口  右端は二ツ塚上塚
水ヶ塚より 富士山、宝永火口  右端は二ツ塚上塚

 

 

御殿庭下まで来ると五里霧中とはこのこと。

 

靄は生き物のようにうごめいて、ぬうっと何かが現れそうな雰囲気にゾクッとしますが、結構私は好きです。

 

 

イチヨウラン: 初めての遭遇!    名前のとおり葉っぱは一枚だけ。 

靄の中の薄暗いカラマツ林の中に目立たずひっそりとではあるものの、スックと潔い姿。 

このランに出会えただけで今日は200点です。 

 

 

 

 

見惚れることしきりのあまり、腹ペコで二ツ塚の麓まで来た時には辺りは何も見えず、本日は登らず戻ることにしました。

 

 

ミヤマフタバラン: 花芽が上がってきています。 花柄の色が紫色で、葉の形は心形。ミヤマフタバランと思われます。

 

コフタバランは花柄が緑、葉の形が三角。 咲いてみないとはっきりとは分かりませんが。

 

 

 

ヒメハナワラビ: 下界で見かけるフユノハナワラビとは葉の形が違いますね。 

標高2000m近く、こんなところに驚きです。 

 

これも初お目見えです。

 

 

未同定2種。

 

ネバリノギラン?:以前見かけたあたりなのでおそらく間違いないとは思うものの、まだ花芽が上がってきたところで同定に至らず。

 

 

 

ギンラン?:こちらも花を見ないと分かりません。

 

 

 

ヤマクワガタの実: 花で見分けるもの、葉で見分けるもの、実で見分けるもの、いろいろありますが、ヤマクワガタは実を見ると分かりやすいいですね。

 

ヤマクワガタの実は菱形をした扇形。クワガタソウの実は三角形の扇形です。

 

 

 

 

ツルシロカネソウの実: ちょっとピンボケですが、プロペラのようなサバの尾のような実ができています。

実を見ればトウゴクサバノオと同じ仲間と分かります。

 

コケモモ
コケモモ
マイヅルソウ
マイヅルソウ

 

今日はバイケイソウの花を見るのが目的でしたが、全く咲いていませんでした。 その代わりイチヨウランを見ることができたし、未同定2種も宿題として残ったし。 

 

 

また梅雨の晴れ間を狙って見に来ることにしましょう。

 

イチヤクソウ蕾
イチヤクソウ蕾

 

緊急事態宣言は解除されたといはいえ、ワクチンもなく、抗体を持つ人も少なく、危険な状態であることには変わりありません。

 

4月に入って以来、友人との山歩きもできずずっとソロの日々です。 

 

 

 

 

それはそれなりに楽しく、こんな梅雨の晴れ間にエイヤッと出かけて来ることも一人だと思うままではあるのですが、今日のように素敵な花たちに出会うと、私と同様植物好きな友人にも見せてあげたくなります。 

早くまた一緒に歩ける日が来ますように。 

それまでいろいろ見ては貯金しておいて来年は一緒に来ましょう。

オククルマムグラ
オククルマムグラ
カマツカ
カマツカ

 

 

 

余談ながら。

出発点の水ケ塚公園に急速充電器が設置されてとても楽になりました。 

 

例年ですとマイカー規制中は5合目までの車は乗り入れできませんがEVはエコカーなので規制外で走ることができます。 

 

が、しかし。 

充電設備がなかったため私の電池容量の少ないEVでは現実不可能でした。 

これで行けるようになります。 

来年、コロナがおさまったら是非5合目まで行ってみようと思います。

ヤハズハンノキ
ヤハズハンノキ

 

6月17日(水)

アマギツツジ

 

  ようやくひとつ、ふたつ・・・ ちょっと早いかなあと思いながら来てみました。

 

水生地から尾根道を登ってほどなく、あまり標高の高くないところでやっと咲き始めたところです。 

 

 

 

 

朱赤の大きな花。 

季節に先駆けて咲くヤマツツジも同じような色ですが、アマギツツジはツツジの中でも最も遅い時期、6月の下旬から7月の上旬にかけてに咲き出します。 

伊豆半島の固有種でトウゴクミツバツツジと同様、三つの大きな葉が特徴です。

 

尾根道を直登して2本の大ブナが居並ぶところに出れば上り御幸歩道に出た目印です。 

 

今日もぴったり出ることができて、地図読み練習合格。

 

 

1070m付近の源流部:

 1000mを越したあたりの森には川の源流部の涸沢があちこちに稲妻のように走っていますが、水が流れていました。 

 

梅雨時で先週はよく降ったとはいえ、この辺りで水があるのは初めて見ました。

 

 

 

 

 

今日の八丁池です。

 

 

展望台からはずいぶんと雪が少なくなった富士山がうっすらと見えます。

 

 

 

 

 

モリアオガエルの鳴き声がしきりです。 水上にせり出した枝先に産み付けられた卵は孵化してオタマジャクシとなり水に落ちるのですが、その下で待ち構えているのがイモリです。イモリのお腹もプックリしているような。 自然は厳しい。

 

 

ジンバイソウ:定点観察中。 順調に成育中。

 

 

ヒメシャラ: 花はまだのようです。 ヒメシャラの樹形は十人十色。 捩れたり、寄りかかったり、話しかけているようだったり、どうして?というような格好をしており、しなやかでいながら歯切れのいいシャッキッとした風情がどっしりとしたブナとは対照的です。

 

 

帰路、視界の開けたところから長九郎山(左奥)と猿山(右奥)の山並みが見えました。 今年はコロナの影響もあり、どちらにも行けず、アマギシャクナゲは残念ながら見ることは出来ませんでした。 来年は平穏な日々が戻りますように。

ヤマグルマ
ヤマグルマ

 

6月10日(水)   再びの富士山自然休養林

 

今日明日にも梅雨入りしそうな雰囲気だったので、再びやって来ました。

 

何とこの時期には珍しいくらいの澄み渡った空にくっきり富士山!

来た甲斐大あり。 

水ケ塚から見る富士山は山頂の手前に巨大な宝永火口がポッカリと口を開けた荒々しい姿で火山らしくて私はとても好きです。

 

 

今日も二ツ塚を目指しますが、前回と別ルートを歩きます。 ずいぶん緑が濃くなってなんて気持ちの良いこと。

 

 

 

 

 

 

 

シロバナノヘビイチゴの白い花に点々と縁どられた歩道をカラマツ林まで登って来ると息も上がってきます。 

今日はここでも随分と暑いので下界はさぞや暑かろう・・・しきりに鳴いていたエゾハルゼミの声もここまで来るとカッコウにとって代わります。

 

樹々の隙間から見え隠れする宝永山とその向こうの山頂が早く見たくて三辻まで来ると樹林帯を抜けます。残念ながらすでには雲に隠れてしまいました。 

 

富士山がきれいに見えるのはたいてい朝のうちで、時間とともに雲が集まってきます。

 

 

前回は二ツ塚の上塚に登ったので今日は下塚に登ってみます。

 

山頂から振り返ると草のパッチワークをちりばめたような上塚、その奥に宝永山、さらにその奥に山頂が三段重ねになって見えます。

このように見える場所は珍しいですね。

 

風の強い日で山頂の鳥居の陰に隠れてサッサとおにぎりを食べて退散。

 

下り坂の天気予報どおり、下塚を下りた頃には一気に霧が下りて来ました。 

 

 

 

 

山頂付近では雨が降り始めているようで、吹き降ろす風に乗って細かな雨粒が吹き下りてくるようになりました。

 

 

御殿庭を回って帰るつもりでしたが、最短コースを選択。どうやら急いで下った方が良さそうです。 

 

何とか降られずに水ケ塚まで戻って来ましたが、その直後からかなり降り始めてかろうじてセーフでした。

 

 

 

オンタデ: 早くも花が咲き始めた株がありました。 

富士山の砂礫地の厳しくて短い夏、植物も大急ぎで成長しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

イワセントウソウ; この繊細な花のどこにピントを合わせていいのか、最近の優秀なデジカメ泣かせの花ナンバーワンです。 

まるで打ち上げ花火のようですね。 

 

ツルシロカネソウの横にイワセントウソウも写り込みました。

ツルシロカネソウの花も1㎝足らずです。

放射状の花火の先に付く小さな花は1〜2㎜でしょう。   素晴らしい。

 

 

バイケイソウ: 蕾が上がって来ました。開花は来週あたりでしょうか。 

 

 

梅雨の晴れ間を縫ってまた見に来ましょう。

 

宝永山
宝永山
ハナヒリノキ
ハナヒリノキ
ヒョウタンボク ?
ヒョウタンボク ?

ヤマクワガタ
ヤマクワガタ

 

5月28日(木)

富士山自然休養林

 

標高1400m余りの水ケ塚からブナやミズナラ、カエデ、ツツジ・・・・鬱蒼とした原生林の須山登山道を登って行きます。

 

足元には小さな可憐な花たち。

 

 

ツルシロカネソウ: あられをまき散らしたように白い花が足元一面広がります。踏まないように歩くのが難しいくらいです。

 

 

ワチガイソウ:初お目見え。 

 

こんなに小さいとは思いませんでした。

こちらも今が盛り。

 

 

 

 

マイヅルソウ: ようやく一輪開花株を見つけました。 

 

咲きそろうまでもう少しです。

 

 

 

 

 

 

 

シロバナノヘビイチゴとヘビイチゴ: 普通見かけるのは黄色いヘビイチゴですが、富士山の裾野には圧倒的にシロバナノヘビイチゴが多いです。 


 

 

ムシカリ: 

落花が可愛らしい。 装飾花は5枚ではなく5裂なのですね。

改めて納得。

 

 

 

 

トウゴクミツバツツジ: 雄しべが10本です。ミツバツツジはそっくりさんですが、雄しべは5本です。

 

今年は八丁池でもこの原生林でもたっぷり見ることができました。

 

 

高度が上がりウラジロモミやシラビソの林を過ぎると倒木地帯に入ってきます。美しいだけではない富士山の荒々しさと厳しさの顔が見えてきます。

 

さらに登れば新緑のカラマツ地帯に入り御殿庭までやって来ました。 

ここから上は森林限界。 

砂礫地となります。

 

四辻から宝永山
四辻から宝永山

 

御殿庭から少し下りつつ子天狗塚を経て二ツ塚へと向かいます。 見えてきましたね。 

 

麓あたりまで来ると二ツ塚も随分と高く見えて、今日は登ろうか登るまいかと迷うところですが、上塚を目指します。 山頂はすぐ目の前にあるのに、ズルズル、ガレガレのスコリア丘は全く登りにくい。 

 

 

雲は頂上に続く斜面をなめるように這い上っていき、宝永火口縁とその奥、富士山頂に続く雪の斜面がほんの束の間に見えるのに励まされながらよじ登っていきます。

 

やっぱり素晴らしい。富士山頂はなかなか姿を見せてはくれないけれど、一日中ここにいても飽きません。

 

こんな荒漠とした大地にもしっかり根付く花たち。

 

 

フジハタザオ

 

 

 

 

 

 

イワツメグサ

 

 

 

 

 

 

 

 

フジアザミ、オンタデ、イタドリはまだ新芽の時期です。

フジアザミ
フジアザミ
イタドリ
イタドリ
オンタデ
オンタデ

 

森林限界辺りの地衣類。

ミヤマハナゴケ
ミヤマハナゴケ
ヤグラゴケ(だと思う)
ヤグラゴケ(だと思う)
コアカミゴケ(だと思う)
コアカミゴケ(だと思う)
アミガサダケ
アミガサダケ

  

帰路、少し歩道から外れた谷合を埋め尽くすようなヤマシャクヤクの大きな群落に出会いました。純白で豪華なのに凛として高貴な花。 少し開き始めたところで、あと1日2日もすれば満開になりそうでした。 

 

これほどの気品のあるヤマシャクヤクですが、秋にその実を見た時はあまりのギャップにびっくりしたことがあります。 

まるで只今人を食べてきたかのような真っ赤な鬼の口のようで、絶世の美女のもう一つの顔でしょうか。

 

バイケイソウの大群落もあちこちにありました。バイケイソウは花が終わると跡形もなくなってしまうので、花の時期に訪れたいものです。来週、また来たくなってきました。